中国の知的所有権保護の新たな進展


結 語


事実が示しているように、中国政府が知的所有権保護のために並大抵でない努力を払った結果、中国の知的所有権保護はわずか二十数年で衆目の認める著しい進展をとげ、先進国が普通数十年ないし百年以上かかった道程をたどった。しかし、中国政府は、13億人口を抱える発展途上の大国として、経済が相対的に立ち遅れ、科学技術レベルがそれほど高くない状況の下で、完全な知的所有権保護制度の確立が一朝一夕にできるものでないということをよく知っている。中国では、知的所有権保護はなおも長い道程を歩まなければならず、任務はきわめて重いものである。

現在、中国の一部の地区と分野に、知的所有権を侵害する行為が依然として存在し、その中にかなり深刻なところもある。全社会の知的所有権保護意識はいちだんの向上が待たれている。同時に、経済のグローバル化および世界の科学技術の日進月歩の発展によって、知的所有権保護は新しい挑戦に直面している。このため、中国政府は、科学的発展観の要求に基づき、いくらかゆとりのある社会を全面的に建設し、調和の取れた社会を構築する過程で、いっそう効果的な政策と措置をとって、中国の知的所有権保護を新たなレベルに推し上げるよう努力するであろう。

長年来、中国は知的所有権制度を確立する過程で、国際社会の積極的支持と協力を得てきた。今後、中国政府はひきつづき自ら引き受けた知的所有権保護の国際義務を真剣に履行し、いっそう積極的な開放の姿勢で、世界各国および国際組織との協力を強化し、世界的範囲内で知的所有権保護の好ましい制度と環境をつくり上げるようともに努力するであろう。