中国の知的所有権保護の新たな進展


五、録音・録画製品の知的所有権の保護


録音・録画製品の不法複製がいくら禁止しても絶たないのは世界的難題である。中国政府は録音・録画製品の知的所有権保護を非常に重視し、録音・録画製品不法複製の取締を知的所有権保護の重要な活動としてたえずそれに力を入れている。ここ数年来、中国では、知的所有権保護制度、録音・録画製品経営許可証制度、出版権専有制度、複製委託書制度、CD製造先識別コード(SIDコード)制度、輸入録音・録画製品内容審査制度、告発者奨励制度、録音・録画製品に統一的な不法複製防止標識を貼る制度、録音・録画製品倉庫登録制度、不法複製録音・録画製品監督・告発・公示制度などを含む一連の録音・録画製品管理制度が徐々に確立されている。

1994年8月、国は「録音・録画製品管理条例」を公布し、2001年12月にそれを改正した。「民法通則」、「著作権法」、「刑法」、「録音・録画製品管理条例」などの関係法律・法規の規定に基づいて、報道出版総署、文化部、税関総署、商務部などの部門はそれぞれあるいは共同で「録音・録画製品出版管理規定」、「録音・録画製品卸売り・小売り・賃貸し管理規則」、「録音・録画製品輸入管理規則」、「中外合弁録音・録画製品取次販売企業管理規則」など一連の行政規則を発布し、録音・録画製品の経営、保護に頼るべき法律と規則を与えた。

 録音・録画製品市場の急速な発展に伴い、国は録音・録画業に対する行政管理体制をちくじ調整している。「録音・録画製品管理条例」は、録音・録画業に対する行政管理の機能分担について規定を行っている。1998年、国務院は「簡素、効率、統一」という原則にのっとって管理体制をいちだんと整備し、報道出版総署が録音・録画製品の製作、出版、複製を管理し、文化部が録音・録画製品の卸売り、小売り、賃貸し、上映、輸入を管理すると明確に規定した。地方政府も中央政府の機能分担を参照して、管轄地区の管理体制を調整した。現在、国内ではすでに中央、省、地区、県の4クラスの録音・録画製品市場管理ネットワークが形成され、ほとんどの地区はさらに録音・録画製品市場を含む文化市場を検査するグループを設けて、録音・録画製品市場を監督、管理する職責を真剣に履行している。

1990年代以来、中国の出版物市場監督管理部門、文化行政管理部門は関係部門と密接に呼応し、録音・録画製品市場に対する持続的な集中整備を通じて、海賊版の録音・録画製品を著しく減らし、正規版の録音・録画製品の発行量を大幅に増やし、録音・録画製品市場の秩序を徐々に好転させている。おおまかな統計によると、1994年から2004年までに全国で不法CD複製企業9社が経営許可証取り上げの処罰を受け、不法CD生産ライン200本を押収された。2004年8月、文化部は知的所有権保護特別行動の統一的按配に基づいて、録音・録画分野の所有権侵害行為に対する集中的取締りについて全面的配置を行い、重点的都市、重点的地区を協調して法律執行をいちだんと強化するように監督、指導し、不法複製の録音・録画製品を保管する闇の倉庫と不法発行ネットワークを摘発した。2004年、全国の文化市場検査管理部門は、55万5368社の録音・録画製品経営企業を検査し、各種の不法録音・録画製品1億5400万件(枚)を押収した。2005年1月12日、文化部、国家知的所有権保護工作グループ弁公室は、全国で不法録音・録画製品の統一的焼却活動を繰り広げ、6335万余件(枚)の各種不法録音・録画製品を集中的に焼却した。