中国の知的所有権保護の新たな進展


二、特許の保護


1980年の中国特許局の設立をメルクマールとして、中国の特許事業はすでに25年の道程を歩んできた。中国は1985年4月1日から「特許法」を実施し始め、その後は相次いで「特許法実施細則」、「特許代理条例」および「特許行政法律執行規則」「税関の特許権実施保護に関する若干の規定」などの法規と規則を公布し、同時に社会・経済発展の必要に応じて「特許法」を2回も改正し、それをたえず完全なものにしている。

中国はわりに短い期間に主に自力に頼ってわりに整った独自の特許審査システムを確立した。中国は1994年1月1日から、「特許協力条約」の加盟国となり、中国特許局は特許協力条約の受理局、国際検索機関、国際初歩的審査機関となった。同時に、中国はわりに整った特許管理システムを確立した。国務院の関係部門と地方は、「特許法」の規定に基づいて特許管理機構を設立した。中国はまた人数が5000余人に及ぶ特許代理陣をつくり、特許代理、特許情報サービス、特許技術譲渡・仲介、特許技術評価を主な内容とするサービス・システムを一応形成した。

中国の特許事業は飛躍的発展をとげた。1985年4月1日から2004年末までに国家知的所有権局の受理した特許出願は228万4925件で、年平均増加率は18.9%に達した。そのうち、国内の出願は187万4358件、国外の出願は41万567件で、それぞれ出願総件数の82%と18%を占めた。2004年3月17日現在、中国の特許出願総件数は200万件の大台を突破した。中国の特許出願総件数が最初の100万件に達するまでに15年かかったが、次の100万件に達するまでに4年余りしかかからなかった。2004年、国家知的所有権局の受理した特許出願総件数は前年の30万8487件より14.7%多い35万3807件に達した。そのうち、国内の出願は前年の25万1238件より11%多い27万8943件で、総件数の78.8%を占め、国外の出願は前年の5万7249件より30.8%多い7万4864件で、総件数の21.2%を占めた。1994年から2004年までに国家知的所有権局の受理した国際出願は7131件で、そのうち、2004年に受理した件数は1592件である。「特許協力条約」の規則を通じて中国の国家レベルに達した国際出願は15万7770件で、そのうち、2004年は3万2438件に達した。

2004年末現在、国家知的所有権局の特許権授与総件数は125万5499件である。そのうち、国内は109万3268件、国外は16万2231件で、それぞれ総件数の87.1%と12.9%を占めている。発明、実用新案、意匠の特許権授与総件数はそれぞれ18万5412件、65万1224件、41万8863件で、総件数に占める比重はそれぞれ14.8%、51.9%、33.3%である。2004年の国家知的所有権局の特許権授与総件数は前年の18万2226件より4.4%多い19万238件であり、そのうち、国内の特許権授与は前年の14万9588件より1.2%多い15万1328件で、国外の特許権授与は前年の3万2638件より19.2%多い3万8910件である。

中国は2001年10月1日から「集積回路配置図設計保護条例」を実施し始めた。2004年末現在、国家知的所有権局の受理した集積回路配置図設計登録出願は682件で、登録して公告し、証明書を発給したものは571件である。そのうち、2004年に受理した集積回路配置図設計登録出願は244件、登録して公告し、証明書を発給したものは205件である。

ここ数年来、各クラスの特許管理部門は特許の行政法律執行を強化し、法によって食品、薬品など人民大衆の生命の安全にかかわる特許違法行為を厳しく取り締まり、核心の重要技術の特許権を侵害する事件およびわりに大きな影響を及ぼす事件に対する調査、処理に力を入れ、発明、実用新案、意匠の特許権にかかわる侵権・無断複製行為を真剣に調査、処理している。2004年8月、国家知的所有権局は国務院の統一的配置に基づいて「知的所有権の行政法律執行を強化し、特別法律執行を繰り広げる活動案」を印刷、配布し、所属部門の特別法律執行活動を即時に展開し、その年の年末までに、各地の知的所有権局は生産現場1万251カ所、商品208万1537点を検査した。2004年末現在、全国各地の特許管理部門の受理した特許権侵害、特許紛争事件は1万2058件で、そのうちの1万411件が結審し、結審率は86.3%に達した。そのうち、2004年に受理した特許紛争は1455件で、1215件が結審した。特許を騙る事件を3965件調査、処理し、他人の特許を騙る事件を358件調査、処理した。