中国の政党制度

七、多党協力制度と現代化建設


民主諸党派はあくまでも発展促進を団結奮闘の最も重要な任務と位置付け、しっかりと国の中心活動を主眼に据え、参政・議政、民主的監督の職能を真剣に履行し、社会主義経済建設や政治建設、文化建設、社会建設を積極的に推し進めている。

――深く掘り下げて調査研究し、提議と方策を積極的に出す。民主諸党派は国の方針や政策の制定と実施に積極的に参与し、国の政治、経済、社会生活における全体的で戦略性と展望性を有する重大問題について考察と調査研究を行い、政策的な提議を提出する。近年らい、前後して三峡プロジェクト、耕地保護、両岸の「三通」(直接の通商、通航、通信)、西部大開発、中部地域の勃興、東北地区など旧工業基地の振興、社会主義新農村の建設、青蔵鉄道(青海・チベット鉄道)沿線の発展、国家クラスの総合的改革実験区の推進、持続可能な発展戦略の実施、「十一・五」計画の制定と実施などの問題について考察し調査研究したうえ、中国共産党中央と国務院に意見と提案を提出し、高く評価され、多くの意見と提案が取り入れられた。民主諸党派の地方組織も地方の経済社会発展の問題をめぐって考察と調査研究を展開している。一部分の地方では「中国共産党委員会が問題を出し、民主党派が調査研究し、政府が取り入れ、部門が着実に実施する」という形式を採用し、民主党派の政策諮問や知的諮問の働きを効果的に発揮させている。

――貧困救済のための開発を展開し、公益事業を興す。民主諸党派は人材が集中し、知恵が集るという優位性を十分に発揮し、国の経済社会、都市部と農村区域の協調的な発展を促進するために積極的に活動を展開し、知恵による辺境地区支援や「光彩事業」(私営企業で、1994年に企業家ら10人が発起人となって始まった貧困層救済プロジェクト)、「温暖プロジェクト」(貧困層を救済すること)などの活動を強力に推し進め、実施し、職業訓練、教育振興と学校運営、災難救済の寄付、危難と貧困の救済などの公益事業を展開し、良好な経済効果と社会効果をもたらしている。2003年新型肺炎(SARS)を制圧した闘争の中で、多くの民主党派のメンバーは最前線で活躍した。民主党派の提唱により始まった貧困層を救済する「温暖プロジェクト」は実施いらい10余年で、すでに全国27省(自治区、直轄市)で公益的な訓練育成事業を展開し、延べ100万人に近い農民がその恩恵を受け、30余万人の一時帰休者・失業者、身体障害者が支援を受けた。民主党派メンバーが社会にお返ししようと提唱して始まった「思源プロジェクト」は、2005年にスタートしていらい、寄付金が3165万元に達した。2006年、民主諸党派中央は関係部門責任者と各種専門家を延べ1270人組織し、知力による辺境地区支援と貧困救済活動について考察を行い、貧困地区の発展に関する144点の政策的な建議を提出し、101の貧困救済項目が着実に実行されることに協力し、各種項目の資金と寄付金5億元近くを投入し、さまざまな技能を有する人材2万5000人を育成し、希望小学校210校を建設した。これらの活動は社会各界から幅広い称賛を勝ち取っている。

――社会状況と民意を反映し、安定団結を擁護する。民主諸党派は協調関係を強め、矛盾を解消する重要な役割を十分に発揮し、社会状況と民意を反映した活動に力を入れて立派に行い、中国共産党各クラスの党委員会と各クラスの政府の科学的な政策決定、民主的な政策決定に奉仕している。人民大衆があまねく関心を抱いている収入分配の不公平の解決、貧富格差の縮小、医療保険システムの確立と完備、受診困難問題の解決、国有企業改革の推進、国有資産の流失の防止、偽造粗悪品の撲滅、社会的信用性の構築、都市住宅困難問題の解決、住宅価格高騰の抑制、公平正義の擁護、貧困な大衆への扶助など、重点や難点、ホットな問題をめぐって、調査研究を展開し、特定テーマの検討を行い、問題の原因を探し、解決と改善の方法を提出している。力を入れて民主的監督を推し進め、中国共産党各クラスの党委員会と各クラスの政府が組織する腐敗反対・清廉提唱、財税、物価、環境保全および社会治安の総合的管理の検査活動に積極的に参加している。肝胆相照らす精神に基づき、真剣に調査し分析し、中国共産党各クラスの党委員会と各クラスの政府に存在する問題に対し、気づいたことは何でも言い、言うことは残さずに言い、監督の質とレベルを引き続き高めている。彼らは実際に深く入り、末端に足を運び、各界大衆の切実な利益にかかわる問題を積極的に反映し、それぞれのメンバーとその連係している大衆に対する思想指導を強化し、しっかりと思想的交流を行い、良好な関係を保ち、社会安定に影響を与える各種の問題をすみやかに解消し、社会の調和を促進するために積極的な役割を発揮している。

――対外連絡を強化し、交流と往来を展開する。民主諸党派は幅広いつながりという重要な特徴を生かし、多くの香港・澳門(マカオ)同胞、台湾同胞、海外同胞や国際的な友人との連絡を積極的に広く拡大し、経済、科学技術、文化、衛生、スポーツなどの分野の交流や協力、人員の往来を推し進め、資金や技術、人材、管理経験を導入している。条件の整った企業の「走出去(海外に出て行く)」を支え、国内と国際2つの市場、2つの資源を利用し、国際的な経済技術協力と競争にしっかりと参与している。引き続き交流の規模を拡大し、交流の分野を広め、交流の内容を豊かにし、学術交流、訪問、来訪接待などの形式を通じて、海外との交流連絡を強化している。

中国共産党は民主党派と団結奮闘するとともに、無党派人士とも親密な協力関係を結んでいる。無党派人士は中国革命の具体的な歴史条件のもとで形成され、発展してきたもので、いかなる党派にも参加せず、社会に積極的な貢献をし、ある程度の影響力がある人々を指し、知識人を主体としている。無党派人士は中国の政治生活における重要な力であり、中国共産党の指導する多党協力と政治協商制度を構成する重要な部分であり、人民政協の重要な一部であり、中国の革命、建設、改革の歴史的な各時期において重要な役割を果たしてきた。中国共産党中央によって開かれた各期の民主協商会、党外人士懇談会には、無党派人士が参加している。無党派人士は長期にわたって中心を取り囲み、大局に奉仕し、参政・議政、民主的監督という職能を着実に履行し、考察・調査研究活動に大きな力を入れ、中国共産党と政府に積極的に進言、献策し、数多くの重要な意見と建議を出した。中国共産党は無党派人士が各クラスの人民代表大会、政府、政協、司法機関において積極的な役割を果たすように支持している。

民主党派のメンバーと無党派人士の中に多くの優秀な人材が現れ、延べ7142人が全国的、国際的な栄誉称号や褒賞を獲得している。九三学社中央の元副主席で中国コンピュータ漢字レーザー写植技術の創始者の王選氏はその傑出した代表である。「雑交水稲(ハイブリッド米)」の父と称される無党派代表の袁隆平氏はハイブリッド米を研究開発し、中国の食糧自給の難題の解決に大きな貢献をした。民主党派のメンバーと無党派人士は先進的な生産力を発展させ、社会主義民主政治を推進し、社会主義の先進的文化を発揚し、社会主義の調和のとれた社会を構築する重要な力であり、小康社会(いくらかゆとりのある社会)を全面的に建設し、社会主義現代化を速く推し進める上で取って変わることのできない役割を果たしている。