中国の政党制度

五、多党協力制度と国家政権の建設


中国共産党は執政党であり、科学的に執政し、民主的に執政し、法律に従って執政することを堅持する。民主諸党派は参政党であり、国の政権に参加している。中国共産党は国の政権の中で民主諸党派と団結し協力し、彼らが参政党の役割を発揮し、参政・議政、民主的監督の職責を履行することを支持し、国家政権の建設を推し進めている。

人民代表大会は中国人民が国家権力を行使する機関であり、民主党派のメンバーが役割を発揮する重要な機構でもある。民主党派メンバーは各クラスの人民代表大会代表や人民代表大会常務委員会および専門委員会の委員の中で、いずれも一定の数を占めている。2003年の第10期全国人民代表大会第1回会議いらい、民主党派メンバーと無党派人士は合わせて17万7000人が各クラスの人民代表大会の代表に選ばれた。その中、全人代常務委員会副委員長は7人で、全人代常務委員会委員は50人である。省クラスの人民代表大会常務委員会副主任は41人で、省クラスの人民代表大会常務委員会委員は462人である。市クラスの人民代表大会常務委員会副主任は357人で、市クラスの人民代表大会常務委員会委員は2084人である。彼らは人民代表の職責を履行し、憲法や法律、地方的な法規の制定・改正に参与し、国と政府の指導者の人選の確定、罷免に参与し、国民経済・社会発展計画および計画実施状況の報告、国家予算と予算実施状況の報告の審査と批准に参与し、人民の願望を反映して、議案と質問案を提出し、視察や法律執行検査活動に参与し、重要な役割を発揮している。

民主党派メンバーが政府や司法機関の指導的職務を担当することは、中国共産党の指導する多党協力制度を実現する重要な内容の一つである。2006年末現在、県・処クラス以上の職責にある民主党派メンバーと無党派人士は合わせて3万1000人おり、彼らは分掌する仕事に対し行政管理指揮権と問題処理の決定権、人事任命・罷免の建議権を享有している。その中、最高人民法院(最高裁)と最高人民検察院、国務院の部(省)・委員会・弁公室、直轄局で指導職のサブを担当する人が18人いる。全国31の省、自治区、直轄市の中で、副省長、副主席、副市長は24人いる。全国397市(州、盟、区)の人民政府の中で356人が副市(州、盟、区)長を担当している。35人が省クラスの人民法院(裁判所)の副裁判長と検察院の副検察長を担当している。141人が地区・市クラスの裁判所の副裁判長と検察院の副検察長を担当している。また多くの民主党派のメンバー、無党派人士は大学、人民団体、科学研究機関や国有企業の中で指導職を担当している。例えば中国科学院に所属する93の研究所の中には69人おり、教育部に直属する72校の大学には38人がいる。2007年、民主党派のメンバーと無党派人士の2人がそれぞれ国務院科学技術部、衛生部の部長に就任している。

国務院と地方各クラスの人民政府は民主党派との連係強化を重視し、民主党派の参政・議政の役割を生かすために新たなチャンネルを切り開いた。連係方法は主に以下のようなものである。国務院は民主党派の責任者が参加する座談会を開き、全国人民代表大会が審議する政府活動報告や関連する重大な政策措置を討議に回して意見を求め、国民経済と社会発展に関する状況を伝える。必要に応じて民主党派の責任者を招き政府の全体会議や関係会議に列席してもらう。政府は廉潔な政治建設や社会治安の総合的な管理、市場経済秩序の規範などに関する点検活動を組織し、民主党派の参加を招請する。政府の関係部門は仕事の業務範囲に基づき関連する民主党派と関係を確立強化し、重要な専門的会議や重要な政策、計画の制定の際に、必要に応じて関係する民主党派の責任者の参加を要請する。今のところ、民主諸党派はそれぞれの特徴に基づき、国務院の関係部門と関係を確立し、教養教育の推進、「スパーク」科学技術産業ベルト地帯の建設、現代農業の発展、生態家園富民計画(生態環境の保全を通じて人々の生活を豊かにする計画)の推進、海洋資源の保護と開発の強化、科学技術イノベーションを奨励する財税政策の整備、科学技術奨励制度の改革、国の知的財産権戦略の実施、水資源不足の解決などの課題についての協力と共同研究を推し進めている。国務院と各クラスの政府も民主党派のメンバーや無党派人士767人を招聘して政府参事室の参事を担当してもらい、さらに1393人を招聘して中央と地方の文化歴史館の館員を担当してもらっている。

民主党派のメンバーが特約スタッフを担当する分野はいちだんと拡大している。政府の関係部門と司法機関が民主党派のメンバーを招聘し特約スタッフに任じることは、民主党派に民主的監督という役割を発揮させる上で重要な措置であり制度的な配慮である。現在、最高人民検察院や教育部、監察部、国土資源部、審計(会計検査)署、税務総局は合わせて民主党派のメンバーと無党派人士87人を招聘して、特約検察員、教育監督・指導員、特約監察員、特約国土資源監察員、特約会計検査員、特約税務監察員を担当してもらっている。地方各クラスの政府部門も民主党派のメンバーや無党派人士1万7000人を招聘し特約スタッフに任じている。特約スタッフは関連する法律の執行のチェックや法律執行の監督活動に参加し、関連する法律・法規制定の研究に参与し、重大な案件に関する調査に参加し、相談諮問の役割や人民大衆との連絡のかけ橋やきずなの役割を発揮し、民主的監督という職責を十分に履行している。例えば会計検査署は特約会計検査員を集めて中央の予算執行をはじめ、三峡ダム地区の移民資金、農業総合開発資金、投資項目資金、世界銀行ローン、全国食糧掛売り資金などの重大項目の会計検査活動と調査・研究に直接参与させている。ここ5年らい、全国各クラスの監察機関の特約監察員は大衆からの投書を延べ1万3600余件取り次いで提出し、大衆の来訪者延べ2万3800余人を接待し、監察機関は人民大衆との連絡を強化する中でユニークな作用を発揮している。 民主党派が重要な外交事務や国内事務に参加する制度はいっそう規範化され、その役割もいちだんと発揮されている。近年らい、民主党派中央の指導者は重要な外交事務活動に150余回参加し、代表団を率いた外国訪問は60余回に及ぶ。中国共産党中央と国の指導者は外国の客人と会見する時、民主党派中央の指導者も招き列席させている。重要な祝典や慰問、記念活動に出席する時も民主党派中央の指導者を招き参加させている。