中国の気候変動政策と行動

六、気候変動に対応する社会全体の意識を高める


中国は環境と気候変動分野の教育、宣伝、大衆参加を一貫して重視している。近年来、国は科学的発展観の徹底的な実行、調和のとれた社会の建設、持続可能な発展の道を歩むことを堅持するなどの先進的な理念を提出することを通じて、社会全体の気候変動に対応する意識を高め、人間と自然の調和的な発展の思想を樹立している。中国共産党中央政治局は世界の気候変動と気候変動に対応した能力建設についての集団学習を組織し、社会全体の気候変動対応に参与する意識と能力を高め、国民全体が気候変動に対応する良好な環境を造るよう積極的に推進している。国は資源節約型と環境にやさしい社会の建設を、学校教育とメディア宣伝の重要な内容として展開し、さまざまな手段を利用して気候変動面の関係知識を普及させ、社会全体のグローバルな環境意識を高めている。

中国はすでに気候変動に関する出版物、映画・テレビ・オーディオビジュアル製品を大量に出版し、気象テレビチャンネルを創設し、資料・情報バンクを確立し、大衆メディアを利用して気候変動面の知識普及を行い、「気候変動と科学技術革新国際フォーラム」を開催し、「気候変動と生態環境」、「生物多様性と気候変動」などの大型国際シンポジウムを開催している。1992年から、「全国省エネ宣伝週間」を連続18回開催した。2007年に国は『省エネ排出削減全民行動実施方案』を発布し、全国範囲で「省エネ排出削減全民行動」を組織し展開し、家庭・コミュニティ、青少年、企業、学校、兵営、政府機構、科学技術、科学普及、メディアなどの9分野で特定活動を推進した。これは政府が推進し、企業が実施し、社会全体が共同参加する省エネ排出削減の活動メカニズムである。「節約型政府機構」構築などの行動を通じて、政府機構と公務員に省エネのリーダーシップを発揮させている。企業省エネ・排出削減の宣伝教育活動を実施し、従業員が企業の省エネ・排出削減に参加するよう呼びかけている。家庭生活の新しい消費モデルづくりを提案し、省エネ・排出削減のコミュニティのプラットホームを構築することを通じて、国民および社会団体が自由意志で植樹造林に参加することを積極的に奨励し、レジ袋の使用制限や有償使用への切り替えにより、全国民の省エネ・排出削減意識を強化している。省エネ・排出削減を内容とする学校のテーマ教育と社会実践活動を積極的に展開し、学生の省エネと環境保全の意識を育成している。ここ数年来、一部の社会団体と非政府機構もさまざまな形で国民全体の省エネ・排出削減行動に加わり、積極的な役割を発揮している。

循環経済が将来の経済の発展方向を代表する。国は循環経済の発展を選択したことを、社会全体に強力に呼びかけている。近年来、循環経済を大いに発展させるテーマをめぐって、一連の各種の宣伝教育活動を展開し、循環経済の理念がじょじょに人の心に深く入り、社会の雰囲気がより濃厚になっている。

中国は気候変動に対応する関係の教育とトレーニングをさらに強化している。基礎教育、大学教育、成人教育の中に気候変動の内容を取り入れ、青少年が気候変動に対し関心を持つよう重点的に指導し、気候変動の関係活動に積極的に参加させている。政府部門、業界、諮問機構、科学研究者およびコミュニティに対し、気候変動のトレーニングや研究班を開催し、気候変動に対応することの重要性と切迫性の認識を高め、社会的な責任を積極的に担うよう奨励している。