庶民生活の10大変化


一 膨れ上がるガマグチ

生活の変化

改革開放初期、中国人は“万元戸”という新語を作り、大金持ちの代名詞として使われるようになったものである。しかし今や昔、“万元戸”も歴史にその名を留めるだけである。無理もない、なぜなら現在の中国、特に都市には“万元戸”家庭が溢れているのだから。改革開放以降、経済の高度成長によって家庭収入は増大し、個人の財産の膨張はとどまるところ知らない有様である。

数字的裏づけ

農村では、8臆の農民が富裕な幸福に向けての大通りを歩き始めている。1990年から2001年の間、農村家庭の一人当たり平均収入は実質成長率62%を記録した。党の十三期四中全会以降の13年間、国は都市部で実に7回も給与ベースアップをし、都市住民の収入は著しく増加している。2001年、都市家庭における一人当たり平均収入は、1990年に比べ倍増した。都市住民の収入増は、預金通帳にはっきりと反映している。1989年末、都市・農村住民の預金残高は5000億元であったが、今や8兆元をクリアして進撃中である。

二 エンゲル係数の低下

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少し前まで、中国人は人に会えば“もう、ご飯食べた!”と言うのが習慣になっていたが、今ではあまり聞かれなくなっている。“食”が中国人の生活に占める割合はますます軽くなってきている。この13年間で、食に囚われなくなり、辛い仕事にセッセと励む単調な生活から離れ、その生活は単に豊かになっただけではなく、きわめて多彩になってきている。

数字の裏づけ

エンゲル係数、これは食物購入費用の一人当たり支出に占める比率、つまり国民生活レベルの国際指標である。1990年当時のこの指標は、都市で54.2%、農村では58.8%であった。2000年、都市住民エンゲル係数が初めて50%を下回ってゆとりが生まれ、2001年、都市部37.9%、農村部47.7%と大きく減縮されている。

三 精妙化に向かう飲食

生活の変化

美食、これは中国人の夢である。過去十数年の間に、中国人の食膳には知らぬ間に大きな変化が起こっていた。主食の消費量が減少し、食事総量もかなり減ってきた。副食の消費量が大幅に増えて、中国人の食卓は様変わりしている。特に都市市民の食生活は五穀を主とした食事から抜け出し栄養、風味、健康さらにはコンビニエンスな食事へと転換を遂げている。

数字の裏づけ

都市住民の一人当たり糧食消費量は、前世紀80年代には145キロ、90年代には88キロにまで下降しており、農村のそれも260キロから250キロへとわずかながら下降傾向を示している。そして、肉類、家禽、卵、水産物、植物油の消費は倍増状態である。肉、卵、牛乳などの動物性蛋白質が豊かな食品の比重が顕著に高くなり、栄養摂取面から見ても食卓はたゆまず改善されていることがわかる。

四 著しい平均寿命の伸び

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2002年6月18日、四川楽山五通橋区の杜品華さんは、上海大世界ギネス本部から“最高長寿者”の証書を贈られ、正式に世界最長寿者となった。「人生七十、古来稀なり」という古い言葉があるが、今では決して“稀”ではなく、普通のこととなっている。社会安定、栄養、保健、医療などのレベルアップによって中国人の長命化が進んでいる。

数字の裏づけ

平均余命は人類の健康水準の反映であり、死亡水準の総合指標の高低は、主として社会経済条件、医療水準などの要素の制約を受けている。1990年から2000年までの10年間に、わが国の平均余命は2.85歳向上し71.4歳に達しており、世界平均に比して5歳高い、発展途上国や地区より7歳も高い水準となった。イギリス、フランス、アメリカなどの経済大国の資料に基づけば、彼らの平均余命が41歳から64.6歳に向上するまでは100年間かかっていて、年平均では2.36歳の伸びで長命化してきた、ということになる。

五 住居の規模拡大

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“ゆとりがあるかないかは、家を見ろ”。昔、一家三世代一部屋なんて決して珍しい風景ではなかった。中国では都市にしろ、農村にしろ老朽家屋、簡便長屋、倒壊危険家屋に溢れている。人口密度の高い大都市では、安住の地を探し出すのは大変だ、と多くの人が慨嘆していた。この13年間、危険家屋の改造、住宅建設プロジェクトの実施で、新居に移り住んだ人も数多い。住宅制度改革の波は眠っていた不動産業を大いに活性化した。どうやら庶民は大きな住居に大満足で、気分も爽快のようである。

数字の裏づけ

前世紀90年代初期、都市住民の一人当たり住居面積は6.7平方㍍、農村では17.8平方㍍だった。現在、都市では10平方㍍、農村では25平方㍍である。広さもさることながら居住性がよくなり、ガス、液化ガスは普及しており、都市住民の家具、装飾、設備に対する消費支出もまた倍増している。

六 マイカーの増加

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中国は自転車の国であった。街角に立てば、止め処もなく流れる自転車の洪水、かつてそれは外国人を驚倒させたものであった。中国語では高級セダンのことを轎車というが、この言い方は轎つまり昔の輿のような車のことで、科挙に合格した高級官僚しか乗ることができなかった代物がその由来である。13年前、自家用轎車を持ちたいなどと贅沢な望みを持つ人など、ごく一握りの人達でしかなかった。この13年間で、今では多くの人が“輿カーの夢”を持つようになり、過去においては不可能であった夢を実現させようとしている。

数字の裏づけ

1998年から、わが国の個人による車購入の比率が50%を超えた。現在、一部の都市では70%を越え、都市住民一万人当り100余台程度にまで達している。わが国の自家用車保有量は1990年の81.6万台から1999年の534万台に増加しており、年平均増加率は23.2%で、全国自動車増加率に比してはるかに高い増加スピードを示している。自家用車保有量と全国自動車保有量の比率は、15%から40%前後へと急上昇している。  

七 アパレルの花開く

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中華の大地に華やかなアパレルファッション熱が湧き上がり、人民生活の質的変化が映し出されている。都市住民の収入増加が、“衣”消費生活に大きな変化をもたらした。プレタポルテの消費量が目に見えて拡大し、高級化が目立つ。都市生活者は新しさ、美しさ、爽快さ、格好よさを求め、“ワンシーズンに数ある衣装”が“衣装一つで四季を過ごす”に取って代わっている。また、個性化も顕在化している。中高年は高級化を目指し、若者は流行を追いかけている。感性の異なるさまざまなブランド専売店が人の目を奪い、ファションショウの世界が、今や街角の風景と化している。

数字の裏づけ

前世紀90年代初頭、“スーツに革靴”がサンデーベストだったが、スーツ、革靴の普及率は今や90%以上に達している。88.7%の消費者が綿、麻、ウール、シルクなどの天然繊維製品を好んでいる。消費者の消費総支出に占める服飾費の比率は下降しているが、総量は増加し続け、過去10年間の年平均増加率は10%前後となっている。プレタポルテの消費率は1995年の84.8%から2000年には93.6%と8.8%も上昇している。

八 学校教育の充実

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過去13年間、政府にしろ個人にしろ教育に対する情熱と投資は空前のものがあった。幼稚園から大学卒業まで、また職場教育も充実しつつあり、各段階での教育が整えられている。今や、大学生が増加しているだけではなく、マスター、ドクター、オーバードクター研究者も増えており、中国人の教育レベルは急速に向上している。

数字の裏づけ

9年間の義務教育は、基本的に全国に普及している。小学校就学率は1990年の74.6%から2001年の95.5%に向上した。1990年から2001年の間、普通高等学校の学生募集人数は60.9万人から268.3万人に増加し、高等教育入学率は3.4%から12%まで伸びている。高等教育は英才教育から大衆教育へとその進路を変えつつある。

九 目を見張る余暇旅行ブーム

生活の変化

13年前は余分な金、余分な時間は無く、休日は家にいるか、親戚、友人を訪ねるのが精一杯であった。出かけるにしても、その行動半径はごく狭く知れたものでしかなかった。昨今は、“ゴールデンウイーク”ともなれば、長城の内外、長江、黄河などの大河川の流域は旅行客でごった返している。最近は、それどころではなく“各国周遊”ツアーに参加する人も急増しており、旅行はまさに現代中国人の新たな嗜好対象となっている。

数字の裏づけ

1989年、わが国の国内旅行者延べ人数は2.4億人だった。2001年には、なんと延べ7.8億人にも膨れ上がってしまった。前世紀90年代初頭、中国国民の出国延べ人数は300万人だったが、2001年には1213万人に達している。人々の旅行支出は年を追って増加しており、2000年の一人平均支出は1995年に比して167.6%増加している。

十 通信方法の快速化

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十数年前までは、手紙を書くことが大多数の中国人の情報交流方法だった。郵電局で電報を打つのは、ちょっとした贅沢だったものである。最近は、一年間に一通の手紙も出さない人は珍しくなくなってきている。今や通信方法は多様化、快速化し、自宅からいつでも電話が掛けられるばかりではなく、すでに普及している携帯電話で簡単な情報のやり取りもでき、パソコンで簡単にEメールも打てるようになった。情報交換は簡便になり、それとともに、人と人との距離も縮まってきた。

数字の裏づけ

13年前、家に電話を引くことは、みんなの羨望の対象であった。しかし今年7月末、わが国の固定電話ユーザー数は2億を突破し、世界第一位となった。中国がモービルフォンサービスを開始したのは1988年であるが、現在モービルユーザーは1.8億に達しやはり世界トップである。前世紀90年代初頭、“ネットアクセス”を知っている人など数えるほどしかいなっかたが、現在は週平均1時間ネットアクセスしている国民が4500万人を超えており、世界第三位となっている。

「チャイナネット」2002/11/01

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