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徐冠巨委員――「私営企業が国を助ける」
億万の資産家でもある私営企業家が、今回の「両会」(全国人民代表大会と政治協商会議)に出席して、「私営企業が国の問題を多く助けなければならない」と訴えた。

「どのように積極的かつ確実に困っている人たちを就職させるか、それは社会各界の関心の的であり、政府の仕事の重点だ。各クラスの政府は、とくに貧困家庭の失業者を、再就職の実施重点とするよう提案する」。中国人民政治協商会議(政協)第10期全国委員会の委員で、浙江省伝化集団理事長の徐冠巨氏は、そう呼びかけた。

 この浙江省では規模最大の私営化学工業のトップは、12億5000万元(1元は約15円)を上回る個人資産を持っている。今年1月、徐冠巨氏は浙江省の政協副主席に選ばれた。「小さい家と大きな家の関係を、私はうまく処理できる」と、「両会」の開会前に発言し、「私が参政・参議する時は、私営企業家のために話すだけでなく、国全体の繁栄のために貢献をすべきだと思う」とも語った。

 政協第10期第1次会議に出席した委員のうち、非公有制経済企業の経営者は100人以上。それは、前回会議(政協第9期)をはるかに上回った。昨年末以来、各地で次々と「両会」の会議が行われ、各地で私営企業家が地方の全人代代表と政協委員に選ばれて、その比率が明らかに上昇した。

 徐冠巨氏と重慶市政協副主席で力帆実業(集団)理事長の尹明善氏は、中国の改革・開放後に初めて、省クラスの政協指導者層に入った私営企業家である。

 「私営企業家は、国の将来に関心がある。私は国の発展のために尽力したい」と徐冠巨氏は率直に語る。

 43歳の徐冠巨氏は、10数年前に2000元の借金をして企業を興し、今ではすでに精密化学工業、物流、ハイテク農業など現代的な企業を数多く抱えている。

 1999年、徐冠巨氏は浙江省私営企業家では初めての「模範労働者」に選ばれ、2002年には浙江省商工業連合会の会長に選出された。

 「私は、非公有制経済の発展を疑わなかったが、自分がこれほどまでのポストについて、参政・参議ができるとは思いもしなかった」。さらに「伝化集団が今日あるのは、共産党の政策のおかげだ。だから共産党には深い思い入れがあるのだ」と言い、すでに入党申請書を提出したことを明らかにした。

彼の経歴はここ数年、中国私営企業家の地位が日増しに上がったことの縮図であろう。「中国共産党の私営企業家に対する重視と肯定の向きを、十分に反映している」と彼は言う。

 このほど発表されたある調査によると、中国の私営企業の「生存期」が伸びているという。しかし、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟し、日増しに競争が激しくなり、「農耕文化」から脱胎した多くの私営企業は厳しい挑戦にさらされている、と彼は見る。そのため、彼は今大会に2つ提案をする予定である。

 つまり、私営企業は必ず「法律意識、責任意識、誠実・信用の意識」を確立し、「16大(中国共産党第16回全国代表大会)の報告書」に書いた「中国の特色ある社会主義事業の建設者」になるべきである。

 また、私営企業の過去の栄光は改革・開放の産物で、継続発展を望むなら、最も必要なのは「思想を解放する」ことだ。単独で闘う「一匹狼」の勇を放棄し、競争の中で、協力と開放の意識を高めるべきである、という提案だ。

人民中国雑誌社より2003年3月6日

 

 


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