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楊正泉委員、インターネットの魅力・エネルギー・将来性について語る
インターネットがメディアとして中国に登場したのは数年前。だが、何千万もの人々がニュースを見、情報を得るなど、インターネットは今では欠かすことのできない通信手段となり、今日の社会生活でその重要性はますます増しつつある。チャイナネット(中国インターネット・インフォメーションセンター)は、こうした状況について、中国人権研究会の副会長で全国政治協商会議の楊正泉委員にインタービューした。同委員は中央人民放送局長や中国外文出版事業局長、国務院報道弁公室副主任を歴任したベテランジャーナリスト。インターネットの現状や将来について深く研究し、独自の見解を持っている。

記 者:現在のインターネットをどのように評価されていますか?

楊委員:インターネットはこの数年の間に急速に発展してきました。事業の発展については、それを示す数字が数多くあるので言及はしません。宣伝や報道の面では、インターネットに驚くほどの潜在力があることが明らかになりました。インターネットが政府の重要な活動について公式に報道する舞台に登場したのは、2001年からです。その年の全国人民代表大会や全国政治協商会議の報道では、インターネットはその他のメディアとともに、報道に参与できる主要なメディアに指定されました。とくに昨年の第16回党大会では、インターネットはそれまで以上にその威力を示しました。大会の主要メディアに選ばれただけでなく、ラジオやテレビと同様、現場から直接報道することができるようになったのです。ラジオやテレビと共通する点もありますが、むしろより独自性があって、ラジオやテレビと相互に補完し合うところがあります。ラジオやテレビに比べると、インターネット上の情報量はずっと多く、大会の内部や外部、それに社会の上層や下層部に対する呼びかけもずっと直接的で、報道対象範囲もずっと広く、時限性もずっと強いと言うべきでしょう。

ジャーナリズム学から言えば、ラジオやテレビは大衆メディアと称されていますが、インターネットはより本物の大衆メディアだと言えるでしょう。国内の報道では無数の人がアクセスしており、国外の報道についても、インターネットはその他のメディアでは代替できない役割をより果たすことができます。国境に制限されることがなく、閲覧が至便であり、内容や言葉がアクセスする人に合えば、外国人であっても閲覧することができるからです。

わが国の幾つかの主要なメディアもホームページを開設して、社会生活でその影響力を持つまでになりました。固定した閲覧者を擁し、自己ブランド、つまり独自性も備えるまでになってきています。例えば新華ネットは、情報の多面性で抜きん出ており、時限性や情報容量でも全国でトップを占めています。人民ネットは言論、特に論評の面で独創性があります。中国日報ネットは英語による情報の公開が特徴となっています。

特筆すべきは中国ネットでしょう。対外向け宣伝のゲートとなるホームページで、外国人に中国を紹介して、世界に中国の真の姿を理解してもらうのが主な仕事です。重要なニュースや評論の報道のほかに、中国の基本的国情を紹介する仕事も担っています。全人代や政協会議に関する報道では、庶民が関心を寄せる大会の重要議案や重大な活動について報道したほか、中国の政治制度や立法制度、司法制度についても紹介し、中国がいかに民主を発揚して、人民に国の重要な事柄に参与・管理させようとしているかを国外の閲覧者にしっかりと理解してもらう、という責任を果たしました。現在、9カ国語で報道しているというのも強みでしょう。世界の閲覧者に中国の基本的状況を理解してもらう重要なルートとなっています。

記 者:中国のインターネットが改善すべき点はどこにあるでしょうか。また将来性はどうでしょう。

楊委員:インターネットが発展してまだ数年しかたっていませんが、かなりの規模にまで達しました。しかし、この数年の発展で無限の潜在力、将来性があることがはっきりしてきました。今後は技術レベルを高め、ハードの規模を拡大するほか、発展に向けて以下の点を注視すべきです。

第1に、情報量を増やすことです。伝統的なメディアでは社会の各方面にわたる数多くの情報を網羅することはできませんが、インターネットなら問題はありません。報道する分野を主動的に開拓し、情報量を増やして、内外の多岐にわたるニーズに応えていかねばなりません。

第2に、時限性を強めることです。この点に関しては、インターネットは伝統メディアより先行していますが、国内伝統メディアの報道に関する時限性だけに目をやるのではなく、報道と世論という国際競争をさらに重視し、インターネットの強みを十分発揮させて、報道の時限性を大々的に強めていかねばなりません。過去、われわれは情報を伝える場合に完全無欠を求めていました。その利点は正確性と完ぺき性にありますが、時限性や主動性を失うなど、遺憾とする点も免れることはできませんでした。インターネットは継続一貫報道の方式を多く採用するとともに、それを独自の主動的な報道方式にしていくことが必要です。報道形式では、事柄に即した詳細な報道を行う、つまり総合的な報道は少なくし、典型的な報道を多くする、というものです。マクロ的な報道については、各側面から1つひとつ問題をしっかりと捉えて詳細に報道しなければならない。こうすればテーマは明確になり、時限性も速まり、閲覧者の期待に沿うことができるでしょう。

第3に、ニュースの内容を科学的に分類することです。そうすることのメリットは、層が異なり、ニーズも異なる閲覧者は読みたいと思う内容に直接アクセスすることができ、毎日大量のネット情報を検索して選択しなければならない、という手間を省くことができる点にあります。

第4に、報道する中身を充実させることです。人々は簡単な情報の提供だけでは不十分だと感じており、より多く、より深く理解したいと思っているのです。例えば、ニュースの背景や論評など、今後はニュースに関する解説を数多く掲載していくべきでしょう。

第5に、数量が多い、時間的に速い、というだけでは今日のニーズに応えることはできません。これを踏まえた上で、質的な問題にも注意を払っていく必要があります。情報量や時限性のほかに最も強い吸引力を持つのが、報道の質です。報道の質とはとりもなおさず、世論を正しい方向に導きながら、閲覧者に歓迎され、読まれ、そして彼らが啓発される、というものです。どれほど歓迎されているかが、報道の質を計る重要な指標にならなければなりません。仮に、このホームページは見たくないと思う人がいれば、たとえ開設者の主観的な考えはこんなに素晴らしいのだと言っても、どんな役割をも発揮できない。その影響やブランド形成については、言わずもがなです。

最後に、わが国の報道事業の発展とインターネットとの間の関係について、私の見解を述べて見たいと思います。この20年来、ニュースの報道は実に大きく改善されました。メディアの数も、手段も、また情報量も増え、時限性も速まり、透明度も増したことから、多くの人々がメディア改革は大きく前進した、と感じています。しかし同時に、第16回党大会で提起された、時代とともに前進し、開拓し刷新する、という精神と要求に沿って進めていかねばならない仕事もメディアには沢山ある、と多くの人が感じているのです。インターネットが今後の改革で重要な役割を果たす可能性は大きい、と私は思っています。新興のメディアとして、宣伝の舞台に一旦登場すればすぐに、その独自性を示すことができるからです。インターネットは報道形式や言語の面で、紙を媒介とするメディアとは明らかに異なります。しかも、そうした違いが広く受け入れられて、その影響力は次第に社会へと拡大し続けて、その他のメディアの報道方式や報道する言語、そして人々が交流する形式や言語にも影響を与えているのです。私は、すでに認められたインターネット、という報道形式と言語、これが恐らくその他のメディアの改革を推進していくのではないかと考えています。

「チャイナネット」2003年3月19日

 

 


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