中国人民政治協商会議の年度総会が3日から、北京で開かれている。約2000人の委員が出席しており、去年一年間の政府の各項目の業務について評議を行ったり、政府の今後の業務に提言をしたりして、政治への参与と論議という委員としての責任を果たしている。 代表の多くが専門家や学者である。彼らは、自分が携わっている研究分野を踏まえて、国家と国民に関する提案と提言をした。天津市にある南開大学の朱坦教授は資源利用と環境保護、持続可能な発展の領域の研究で成果を上げている。朱教授が、今回の大会で出した四つ提案は、いずれも環境保全についてである。 「わが国は、ここ数年、民間による環境保全組織がある程度発展しているが、いくらかの問題と困難を抱えている。ただし、全国民の環境保全の意識は高まっている。自分から、小さいこと、一つのことからやり始める。これがあるからこそ、政府部門に対して更に効率的に監督を行うことができ、関連法規と条例をよりよく執行できる。同時に、一部の企業に対してもよい監督となるのである」と話した。 上海からの楊玉環委員は、「今回持ってきた提案には、上海でベンチャー企業を起こした中国系の企業家達が出したものがある。これらの人たちは去年から中国で二つの公衆衛生事件であるSARSと鳥インフルエンザを経験した。これらの事件で明らかにされた問題はいろいろな客観的な要素があるが、同時にわが国の公衆衛生の体系がまだ弱く、病院及び医療システムの標準化作りのレベルが全体的に低いことを物語っている。この問題は、中国の医療衛生体系の完備問題とかかわっているだけでなく、実はいくらか中国の投資環境にも影響を及ぼしている」と語った。また、楊委員は、「我々委員が提出したあらゆる問題が、すぐ全部解決されるはずはない。しかし、これらの問題は、すでに中央政府の関心を呼んでいる。私達は、政府の問題解決の能力があることを信じている。」と楽観的に見ている。 各グループの中で、香港特別行政区とマカオ特別行政区のグループは比較的特別なものである。その他の委員は業界別によって例えば、教育界、経済界、宗教界などによって分けられている。 香港とマカオの委員はその政治制度と地域の特殊性に基づいて、地区によってグループを作っている。 マカオからきた何玉棠委員は「CEPAの推進の下で、更に多くの大陸の観光客をマカオに引き付けることを希望している。」として「私は今年更に多くの大陸の住民が個人観光の身分でマカオを訪れる問題に関心を寄せている。これによって、マカオの住民だけではなく、大陸も経済の面で大きな利益を得ることができる。そして、もっと多くの大陸の同胞が観光を通じて、祖国復帰後の香港とマカオの情況及び、一国二制度がいかに良く体現されているかを理解できるようになるだろう」と述べた。 これらの提案は委員たちが真面目で、深く突っ込んだ調査、研究を行った末に提出されたものである。今後数日間に、政協委員は温家宝総理の政府活動報告と各自の出した提案を巡って討議をし、中国の社会と経済の発展のために提言することになっている。 「CRI」より2004/03/05 |