一部メディアはこれまで富裕層が腐敗と関係しているかのような報道をしてきたが、こうした行為は改めるべきだ――新希望グループ取締役の劉永好委員はこう強調した。劉氏は大陸で「長者」として雑誌『フォーブス』に名を連ねた私営企業家。「私有財産と富裕者を正しく見るような社会にしていくべきだ」と、劉氏は新たな期待を示した。 個人の財産に対する関心が高まるなか、第10期全国人民代表大会(全人代)第2回会議は憲法を改正し、「非公有経済の奨励」と「合法的な私有財産の保護」を盛り込む。 飼料生産企業を興し今では不動産、ハイテク、化学工業、金融関連企業などを幅広く経営する企業家、劉委員成功の履歴は非公有経済の躍進振りを物語っている。第10期全国政治協商会議(政協)第2回会議に出席中の劉委員は、憲法の改正で一躍メディアに追われる時の人に。 この数年来、いわゆる“財産隠し”とか“財産暴き”が社会に大きな物議を呼んできた。これについて劉委員は「一部メディアは少数の“富裕者”は違法行為を働くなど腐敗に関係しているかのように報道し、多くの映画・テレビ・文学作品についても腐敗を非公有制企業と関連づけて、社会に『富は仁にあらず』との誤った考えをもたらしてきた。これは財産を尊重するものではなく、また財産を合法的な経営で取得した非公有制経済人を尊重するものでもない。こうした現象をもたらした原因はより深層的で、歴史と関係する。中国は歴史的に“ビジネス軽視”の国だった。こうした考え方は今では国の経済建設にとって、また企業家の投資意欲を高めるうえでマイナスであり、現代的なビジネス環境を創造するうえでもマイナスだ。そのためにも、政府は私有財産と富裕者を正しく見るような社会にしていくべきだ」と強調した。 中国共産党第16回全国代表大会は、非公有制経済人を含む新興階層はいずれも中国の特色ある社会主義を建設する者であり、改正する憲法に「公民の合法的私有財産は侵害されない」との内容を盛り込むと明確に打ち出していた。非公有経済の著名な企業家である劉委員は、気持ちの高ぶりを少しも隠すことなく「非常に素晴らしい」との言葉を3度連発し、「合法的な私有財産の保護を憲法に盛り込むことは、非公有経済の企業家にとって非常に喜ばしいだけなく、農民や都市部の住民も利益を受けることになり、彼らの一部の生産材や住宅、株式など私有財産は保護され、尊重される」と指摘。 「これは中国が計画経済から市場経済へと突き進む過程で非常に重要な1歩だ。そのメリットは民間資本に自信をもたせ、財産を創造しようとする活力をさらに刺激することにある」、と劉委員は強調した。 「チャイナネット」2004年3月9日 |