第10期全国人民代表大会(全人代)第2回会議は11日午前、北京の人民大会堂で記者会見を行い、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁と中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の劉明康主席が金融政策、金融体制改革、金融の監督・管理について記者の質問に答えた。 国有商業銀行の不良債権問題について、劉主席は次のように述べた。 全体として見れば、ここ数年間、銀行業務を行う金融機関は不良債権の処理で大きな成果をあげている。昨年は、主要金融機関の資産のうち、5段階評価で「不良債権」と判断された債権の総額が、年初比で1906億元減少した。不良債権率も年初比5.32ポイント減少し、17.8%となった。 劉主席はまた、「鉄鋼、セメント、アルミナ産業などで低付加価値事業の重複がある。国有商業銀行の新たな不良債権を生み出しうるか」との質問に対し、次のように答えた。 国有商業銀行4行は現在、鉄鋼、セメント、アルミナ産業などへの貸し付け状況について調査と評価を行っている。銀監会は各行の自己調査の後に抜き取り検査を行う。 民間企業への貸し付けとリスク負担の問題について、劉主席は次のように述べた。 国内金融機関から個人経営企業や個人への貸し付けは近年、年間50%程度の増となっている。全体として、こうした貸付金は比較的安全だ。商業銀行はサービス提供に際した顧客ニーズのくみ取りやリスク評価に関して、以前より大きく進歩した。 中国経済が急成長を続ける中、現時点での各行のリスク管理作業の重点は、リスクの評価・制御能力の向上で、負担可能なリスクの範囲を合理的に判断することである。リスクの審査、適度なリスク負担による貸し付けは、いずれも重要だ。高リスクの顧客に対しては、どの業種であれ貸付は行わず、低リスクの顧客、償還能力や償還意思のある顧客に対しては、スムーズに貸付を行うべきである。 「人民網日本語版」2004年3月12日 |