第10期全国人民代表大会(全人代)第2回会議が14日午後、北京の人民大会堂で閉幕し、国務院の温家宝総理が閉会後、国内外の記者のインタビューに答えた。 香港紙「南華早報」記者の「現在、国有商業銀行は実質的な改革の段階に入り、政府はこれまで3度にわたり国有商業銀行に資本を注入した。これにより、銀行の潜在的なモラルハザードが生まれることが心配にならないか」との質問に対し、温総理は次のように答えた。 国有商業銀行の経営状態はここ数年で改善されたが、問題は依然として深刻だ。主に(1)不良資産比率の高さ。国有商業銀行4行では20%を超え、総額2兆元に迫っている(2)自己資本比率の低さ(3)利益が十分でない――などが挙げられる。根本的な原因はメカニズムと体制にある。 中央政府はこのほど、国有商業銀行である中国銀行と中国建設銀行の株式制への移行を決定し、450億ドルの資本注入を行った。この改革について、3つの点を説明しておきたい。 第一に、明確な目標がうち立てられた。つまり国有商業銀行に市場化の道を歩ませ、財産権制度の改革を進め、企業統治(コーポレートガバナンス)体制の改革を推進して、国有商業銀行を真に現代的な商業銀行へ生まれ変わらせることを目指す。 第二に、安全対策と明確な責任制度が制定された。改革を実施する上で、2行は国が注入した資本の安全を必ず確保しなければならない。2行は資産価値の維持・上昇に努めると同時に、不良資産の減少の責任を負う。 第三に、改革のカギは管理と人員にある。実を言えば、この2点については確かに不安が残る。 この改革は後がない「背水の陣」であり、必ず成功させなければならず、失敗は許されない。政府がこのように力の入った措置を取ったのは、本当に失敗できない実践だからだ。われわれは大きな決意を固めて、改革を成功に導かなければならない。 「人民網日本語版」2004年3月15日 |