国家税務総局の謝旭人局長は9日、第10期全国人民代表大会第3回会議の記者会見で、昨年の税収の伸びがGDP成長率を大幅に上回った原因について、次のように説明した。
税収の急増は、まず国民経済の持続的な高成長と企業の大幅な効率化によるものだ。実質国内総生産(GDP)は昨年、9.5%増加した。特に工業生産額(付加価値ベース)は18.3%増、うち一定規模以上の企業(国有企業または売上高500万元以上の非国有企業)では約22%の増となり、増値税(付加価値税)収入を21.6%押し上げた。一定規模以上の企業は利益が38.1%増加し、中国資本企業からの企業所得税納入額は34.2%増、外資系は32.3%増となった。輸入額は36%増で、輸入環節税の納入額は32.9%増加した。流通税・企業所得税・輸入環節税の大幅な伸びが、納税額全体の急増をもたらした。
次に、税務部門が法に基づく徴税を強く推進し、税収の秩序化、未納入分の清算を進めた。さらに、各地の共産党委員会、政府、人民代表大会、政治協商会議、各界が徴税業務を強力にサポートし、納税者の多くが法による誠実な納税の意識を高め、税法が順守されるようになったことも、税収増につながった。
昨年の税収の伸びがGDP成長率を大幅に上回った背景には、次のようにさまざまな要因がある。
統計方法の差:税収は現価計算だが、実質GDPは物価変動による影響を取り除いて算出される。名目ベースで算出した場合、2004年のGDP成長率は16.4%増となる
構造的要因:中国の主な課税対象は第2次・第3次産業であり、同分野の生産額の伸びもGDP成長率を上回っている。
地域性:エネルギーや原材料の主な生産地域、東部沿海地域では、GDP成長率が全国値を上回り、税収も大きく伸びた。東部沿海地域の税収は、国内全体の70%前後を占めている。
輸入増の影響の差:輸入増による影響はGDPと税収とで異なる。GDP算出時には、生産額から輸入分を差し引く。逆に、税収の場合は輸入環節税が上乗せされる。
徴税管理の強化:納税漏れが減少した。
「人民網日本語版」2005年3月10日
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