第10期全国人民代表大会第3回会議は現在北京で行われている。中国社会の各階層間では所得の格差が日増しに大きくなっている現状に対し、全人代代表たちは「中国は引き続き分配制度の改革を推し進め、分配秩序を整理して規範化し、日増しに深刻化する社会分配の不公平の現象をなくしていく」と示している。
中国の分配制度の変化は社会全体の変化に関わっている。計画経済の時代、中国は分配おける平均主義を強調し、社会各階層の所得に大きな差がなかったものの、経済運営の効率が高くないなどの問題を引き起こした。1978年からの改革開放以来、「労働量によって分配する」制度が確立され、一部の人を先に豊かにさせる政策は労働者の積極性を大いに引き出し、中国経済の急速発展を促した。社会主義市場経済の発展に伴い、「労働量によって分配する」と「生産要素によって分配する」という分配制度を合わせて、資本や技術などの生産要素が収益分配に参加することを許し、奨励している。
全体から見れば、現在、中国の社会分配制度は良いものの、業種間や地域間の発展が不均衡で、市場経済秩序が完備せず、法制度も健全化していない。それによって、各階層間の所得の格差が絶えず拡大し、それによる社会的矛盾も日増しに深刻化している。現在、社会分配の不公平問題は既に社会や経済の発展でいち早く解決しなければならない大きな問題となっている。
今年の全人代年度会議で、分配の不公平問題は代表たちの関心を集め、ホットな話題となっている。山東省発展・改革委員会の倪永康主任はこれについて、「現在、分配の不公平問題は中国社会発展における一つの大きな問題となり、国の長期的安定に影響している。温家宝総理は今年の『政府活動報告』でこの問題をいち早く解決することを提案したため、この問題を解決する時期は既に成熟した」と語った。
社会分配の不公平問題を如何に解決するかについて、代表たちは相次いで自分の意見を提案した。
海南省の張肖代表は、「分配の不公平問題を解決するには、税収が調節役割を十分に果たすべきだ。法律に基づいて高い所得を得ている人は、社会公共事業から更に多くの支持を得ているため、更に多くの社会義務を負わなければならない。これらの人からは、国家は更に多くの税金を徴収し、所得が低い人に補助手当てを与え、社会の公平を示すべきだ。現在、中国は税収面で一部の改革を行わなければならない」と語った。
「現在、中国の所得調整の手段は主に個人所得税に頼っており、最高は45%近くなっている。これからは所得税の徴収方法を改革し、収入が特に高い一部の地方では単一項目の税金を設けることや、遺産税の徴収などを検討すべきだ」と語った。
「CRI」より2005/03/10
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