温家宝総理は今回の全人代、全国人民代表大会の第三回会議で行った政府活動報告で、「中国は今後も天然林への保護と草原整備に取り組み、砂嵐の源となる要素をなくしていく」と強調した。このことについて、中国国際放送局記者は全人代代表で、これまで砂漠化防止に尽力してきた有名な専門家王有徳さんにインタビューした。
王有徳氏は、寧夏ホイ族自治区霊武国定自然保護区管理局の局長で、砂漠化防止活動の最前線で活躍し、長年にわたって砂漠化防止の経験を積み重ねてきた。王有徳代表は記者のインタビューに応え、「今年、温家宝総理は政府活動報告で、砂嵐発生源への管理を強調した。これは人々の居住環境の改善にプラスとなるだけでなく、経済発展を促し、地元住民の生活レベルを高めることにも有利である。これは、今の時期だけではなく、将来的にも有意義なものだ」と評価した。王有徳氏は「わたしたち保護区では、砂漠化防止と生態環境の改善に取り組み、牧草地帯の面積を拡大していく。また牧草地帯の開発によって、住民は牛や羊などを飼育して、所得を増やすことができる。これによって地元の就職問題を解決しただけでなく、毎年一億に上る所得があり、同時に、これらを資金として生態環境を改善させることもできる。」と話した。
ところで、王有徳氏が勤めている寧夏霊武国定自然保護区は、中国西北部のモウス砂漠に位置し、総面積はおよそ10万ヘクタールに及ぶ。ここ数年、保護区ではハイテク技術の活用によって、植生の回復率は85%以上に達するほか、風速も12%弱めている。また、2004年末までに防風林の面積を1万7000ヘクタール増やし、流砂処理面積は2万ヘクタールに達した。
このように砂漠化防止が著しい成果を収めたことから、王有徳氏は砂漠の周辺地帯に水を引き耕地を作り、200万ヘクタール以上もの経済林を開発した。また、これを基に、王有徳氏はさらに、建築資材の加工、苗木と花卉及び造林の専門企業を設置させた。王有徳氏はこれについて、「これら企業はあわせて3000万元あまりの生産額を作り上げている。また保護区を拠点としたほかの関連企業を入れると、生産額は合計一億元を超えている。砂漠化防止活動は経済発展の基盤ともなっている」と語った。
これと同時に、これら多角経営企業は、砂漠化防止に毎年100万元の資金を提供していることから、砂漠化防止事業の持続可能な発展を大きく促している。
温家宝総理はその政府活動報告で、中国は調和の取れた社会を発展させていくと強調したが、王有徳氏は、調和の取れた社会とは人間と自然との調和の取れた社会であるべきで、人間と自然の調和を実現することは、調和の取れた社会を構築するための重要な構成部分であるとしている。王有徳氏はさらに、「温総理はその政府活動報告で、我々の目標は、人民に清潔な水を飲ませ、清らかな空気を吸わせ、よりよい仕事と生活の環境を提供する事であると述べているが、砂漠化を防止し、環境を改善することは、循環経済の発展と生活内容の改善、さらに調和の取れた社会の構築にプラスとなると私は考える」と話してくれた。
CRIより 2005年3月13日
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