国防費増加、人材確保や情報化のため 中央軍事委員

中央軍事委員会の廖錫竜委員(総後勤部部長)は6日、国防費の増加について新華社の取材に応じ、「中国の国防費は、金額からしても、国内総生産(GDP)に占める割合にしても、世界の主要国と比べまだまだ少ない。中国の国防費の規模は、わが国の積極防御という戦略方針にふさわしい」と話した。

第10期全国人民代表大会(全人代)第4回会議で審議される「2005年の中央・地方予算の執行状況と、2006年の中央・地方予算の草案に関する報告」によると、2006年の中国国防支出は2807億2900万元と、前年比14.7%の増加だった。

▽廖軍事委員の発言は以下の通り。

金額から見れば、中国の国防費は米ドルでわずか約351億ドル。国防費が世界最多の国の7%に過ぎない。軍人1人あたりの国防費でみると、中国は1人あたり約1万5千ドルで、同じく世界最多の国の軍人の20分の1にも満たない。国防費がGDPに占める割合も、主要な国または地域は、大半が2.5%から5%の間を保っているが、中国の今年の国防費支出予算は、GDP比でわずか1.4%ほどの試算だ。 

ここ数年、中国は、国防強化の堅持と経済建設との調和の取れた発展を目指している。国民経済の持続的で健全な急発展に合わせ、国防費を適度に増やている。国防費の支出は、年々増加している。しかし、中国政府は貧困の撲滅、経済の発展、人民の教育と医療条件の改善などに力を尽くしており、大幅に軍事費を増やすことはできない。2006年の国防予算は、継続的に適度な伸びを保っている。国防経費の増加分は、以下の3分野に重点的に充てられる。

(1)軍隊を日常的に維持する。不要不急の予算項目を圧縮し、兵士の生活と待遇における切迫した問題をできるだけ解決する。軍人の給与と待遇を適切に改善し、人材の獲得・確保の条件を保障する。

(2)軍の情報化を推進する。軍の情報化は始まったばかりで、機械化や半機械化のレベルから情報化への発展を実現するには、多くの出費が必要だ。このため、一定の予算を集中させ、重点突破を図ることが必須だ。まず、情報基盤整備のプロジェクトや、指揮情報システムと武器装備情報化などの分野に焦点を絞り、部分部分の飛躍によって、全体の発展を導く。 

(3)軍事上の新しい人材育成に支出する。今年は、軍隊院校への予算投入を増やし、教育手法の現代化を進める。同時に、軍事訓練への予算投入も増やし、軍事訓練を改善、軍人と武器装備との結びつきを促進する。

「人民網日本語版」 2006年3月7日


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