第10期全国人民大会第5回会議で、『企業所得税法』草案が採択されることになっており、内外の注目を集めている。中国における日系企業も次々とそれに対する見方を表明している。
新たな企業所得税の実施は、現在までのところ、税収上の優遇措置を享受していない一部の日本商社(サービス業)にとって、税負担の軽減を意味しているが、中国における日系企業のかなりの比率を占める製造業にとっては、かつての優遇政策がなくなったため、税負担が重くなることを意味している。機械・電気業種の関係者は、新たな税制は企業の収益の減少をもたらすので、企業の生産及び投資にも悪影響を及ぼすことになると見ている。
「現在、中国の人件費も土地使用費も上昇し続けており、税負担の増加とあいまって、企業の生産コストの急騰を促すに違いない。中国市場がすでに拡大されているので、その規模を縮小することは無理なことである。今後、どのように生産コストを引き下げるかは中国における外資系企業にとって肝心なこにとなっている」、とトヨタ(株)の関係者は語っている。
新たな税法によると、中国は少数民族地域では企業所得税減免という優遇政策を実施することになっており、同時に、中国政府が奨励するハイテク企業も優遇措置を享受することができる。しかし中国がどのようにハイテク企業のコンセプトを定義するかという問題は、日系企業が直面しなければならない新たな課題となっている。現在、数多くの企業は、中国を輸出向けの生産拠点と見なすべきかどうかについて検討している。
「今では優遇政策がなくても企業は生存できる段階に入っている」と住友商事の社長は見ており、内外企業の「公平な競争の時代」が目前に迫り、日系企業は自らの競争能力を強めなければならないとホンダ技研工業(中国)投資の浜後笃芳社長は語っている。
新税法の全面的な実施まで5年間の移行期があるため、日系企業は新たな対策を積極的に模索している。
「チャイナネット」2007年3月15日
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