全国政治協商会議委員を務める衛生部の黄潔夫・副部長によると、衛生部など関係部門は4月、「医療衛生界脳死判定始動会」を開催する。脳死患者を担当する医療機構は、家族の同意と第三者(認定を行う機関以外の医療機構)の判断を経れば、患者の脳死を宣告することができるようになり、脳死患者からの組織・臓器の移植が可能となる。北京の日刊紙「京華時報」が伝えた。
黄副部長によると、昨年5月に施行された「人体器官移植条例」は、臓器移植の医療上の安全を確保するものだが、臓器移植で最も大きな問題は移植臓器の不足。臓器不足を解消するためには、従来の死亡判断に関する認識を改め、脳死を正式に認めていく必要がある。従来は心臓停止をもって死亡としていたが、臓器は心臓停止15分後に死んでしまうため、患者に移植提供の意思がある場合も移植機会は限られていた。脳死患者からの移植が可能となれば、医療機関は人工呼吸器を使って脳死患者の心臓の働きを維持し、臓器の移植を待つことができるようになる。脳死判定にあたっての具体的な基準と手続は、4月の脳死判定始動会で定められる予定だ。中国の医学界は今後、脳死という概念を正式に認め、脳死の判定と宣告にとりかかっていく。
黄副部長によると、脳死の判定にあたっては、第三者の鑑定と家族の同意が必要となる。また「人体器官移植条例」には、脳死患者からの臓器移植に関する規定はない。衛生部器官移植委員会は4月に会議を開き、規定を作成していく方針だ。
「人民網日本語版」2008年3月8日