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中国、腐敗事件の取り締まりを強化 社会安定の最大の柱に
発信時間: 2009-03-11 | チャイナネット

最高人民検察院の曹建明・検察長は10日、検察機関が2008年に立案・捜査した汚職・賄賂・越権などの事件が3万3546件に達し、4万1179人が捜査対象となったことを明らかにした。事件の容疑者となった処級以上の職員は2687人にのぼり、そのうち庁局級職員は181人、省部級職員は4人だった。「新華網」が伝えた。

曹検察長は、第11期全国人民代表大会第2回会議に向けて活動報告を行い、上記の内容を明らかにした。捜査対象となった事件のうち、08年中に調べを終えて公訴されたのは2万6684件(前年比1%増)・3万3953人(同比10.1%増)だった。

一方、最高人民法院の王勝俊・院長によると、法院は昨年、経済犯罪・商業賄賂・公務員汚職に対する取り締まりを引き続き強化し、合わせて5万5959件で判決を下した。前年比11.66%の増加となった。

「人民網」や「新華網」などのサイトが両会(全人代、全国政協)の直前に行った世論調査によると、インターネット利用者が両会で最も注目している話題は腐敗撲滅だった。

「金融危機への対処が重要となっている今、人々はなぜ腐敗撲滅に注目しているのか。私の考えるに、経済の発展と社会の公平、政府のクリーンさは、社会の安定を支える3つの大黒柱だ。この3つのうち最も重要なのが政府のクリーンさだ」。温家宝総理は2月28日、インターネット利用者とのオンライン交流でこのように語った。

全国人民代表を務める政協会議重慶市委員会の陳万志・副主席は、「庶民が最も憎んでいる腐敗に対して取り締まりを強化しなければ、政府のイメージが悪くなるばかりではなく、人々の支持を失い社会の安定に影響が出る可能性もある」と語る。全国人民代表を務める済南鋼鉄集団総公司の李長順・元総経理は、「経済が困難になればなるほど、腐敗処罰の強化に対する人々の要求は高まる」と指摘する。

中国共産党はここ数年、腐敗撲滅に対する断固とした姿勢を繰り返し強調してきた。表面的な問題と根本的な問題を総合的に取り締まり、処罰と防止をともに推進し、なかでも防止に重点をおくという方針を堅持し、党風の粛清や政治のクリーン化と腐敗撲滅闘争の新たな成果によって人々の信頼を得た。両会の代表や委員らはこれを評価しつつも、腐敗撲滅の任務は依然として大きいと認識している。腐敗発生の大きな原因は、権力が効果的なコントロールを受けていないことだ。

全国人民代表を務める首都経済貿易大学のカク如玉・副校長は、「監督体制が整っていないことから、不動産・土地管理・金融・司法などの分野で腐敗事件の発生率が特に高くなっている。また指導者や幹部の一部の間では、職権の乱用や汚職行為、不正なやり方が横行している」と指摘する。

中国政府は金融危機対応のため、一括的な経済振興計画を打ち出した。監督や検査をいかに強化し、中央による重大政策の実行を確保していくかは、腐敗を撲滅しクリーンな政治を呼びかける上での重点となっている。国家発展改革委員会の張平主任は両会で、「中央の多くの部門は24の検査チームを共同で設立した。4兆元投資での権力乱用がないか厳しく監督していくためだ」と語った。

「人民網日本語版」2009年3月11日

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