ホーム>>政治 |
陶文釗教授:現在の中米関係を語る |
発信時間: 2009-01-05 | チャイナネット |
|
中国社会科学院米国研究所研究員 陶文釗教授 現在の中米関係を語る 現在の中米関係をどのように見るかについては、以下のようにまとめることができる。 第一に、中米関係はすでに二国間関係の範囲を越えていること。今や誰もが、中米関係は21世紀の世界において非常に重要な二国間関係の一つとなっていることを認識している。中米関係の中には、ますます多くの地域や世界の経済および安全保障が含まれるようになり、これは1990年代、1980年代にはなかったことである。例えば、自然災害や気候の変化、エネルギー問題、伝染性疾病、テロ、大量破壊兵器の拡散、金融危機などといった問題の解決にはいずれも中米両国の協力が必要であり、このことは中米関係の長期安定にプラスの要素である。 第二に、中米関係はますます制度化していること。ブッシュ大統領の任期中、中米首脳の直接会談は20回、電話会談は20回、書簡のやり取りは40回におよんだ。これほど頻繁な交流はこれまでにはなかったことである。両国首脳はさまざまな場所で会談し、各地域や世界、二国間の関係について率直に意見を交わした。2008年8月、ブッシュ大領領はオリンピック開会式に参加するために訪中する前にワシントンで中国の記者の取材を受け、胡錦濤主席とは非常に打ち解け、とてもよい関係にあると語った。 第三に、中米両国は経済の分野で非常に依存し合っていること。中国がWTOに加盟した2001年以来、中国の対外貿易は急速に発展し、年平均の伸び率は28.5%に達する。これは中国および海外の経済学者が誰も予想できなかったことである。対米貿易も急速に拡大した。このため、現在の中米両国の経済面での相互依存は戦略的意義を持ち、この依存は今後も引き続き深まり、お互いが欠かせない存在となる。 第四に、米国の対台湾政策がある程度変化したこと。2003年12月に温家宝総理が訪米した際、ブッシュ大統領はホワイトハウスで温総理と共同記者会見を開いた。その席上、米国の対台湾政策について触れ、米国は台湾海峡の現状を一方的に変えることに反対すると言明した。また、台湾の指導者の言行は現状を一方的に変える可能性があることを示しており、米国はこれに反対すると述べた。これは、ブッシュ大統領が中国の総理の前で、台湾当局が現状を一方的に変えようとしていることをきわめて率直に批判したものである。 第五に、中米両国の民間交流が絶えず拡大していること。中米国交正常化以来、両国の民間外交は発展し続けている。米国との民間交流は、ビジネス、貿易、経済、文化、教育、スポーツ、人材、観光など各レベル、各方面において、他のいかなる国との交流よりも圧倒的に多いといえる。このような民間交流は両国の政治関係が悪化した時も途切れることなく、しかも両国政府が困難な局面から抜け出るのを手助けした。中米の今後の交流は、実質的には中米関係から中米2つの社会の間の関係に変わるのではないかと考える。両国の間の、2つの社会の間のきずなはますます固くなることだろう。 |
|