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陶文釗教授:金融危機を語る |
発信時間: 2009-01-05 | チャイナネット |
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中国社会科学院米国研究所研究員 陶文釗教授 金融危機を語る 金融危機が中米関係にもたらす影響については、以下のようにまとめることができる。 金融危機は中米両国の協力関係に新しいチャンスをもたらしたと考える。第一に、国際通貨基金と世界銀行の予測によると世界の経済成長率は高くて2%前後、低くて0.9%であるが、中国は来年も8~9%の経済成長を維持できると見られるため、依然として世界経済の牽引役を果たすと考えられること。つまり、中国は自分自身の事をしっかりと行うことが、世界経済に貢献することになるのである。中国経済は安定を保っており、経済規模が比較的大きく、世界のGDPの6%を占めるため、中国は自国の経済をよくし、対外貿易を正常に維持していけば、世界経済、とりわけ周辺国家の経済を牽引することができる。 第二に、現在の金融体制には改革が必要であるという共通認識があること。まずは金融機関に対する監督管理を強化しなければならない。これはオバマ氏も表明していることである。オバマ氏は、米国の金融機関に対する監督管理を強化し、国際通貨基金と世界銀行はより大きな役割を果たすべきだと強調している。また、中国やインド、ロシアのような新興経済体もこの金融体制の中で大きな役割を果たすと同時に、国際金融体制の変革・改革は後発発展途上国の援助と結びつけるべきだとしている。国連もミレニアム・プロジェクトによって、主にアフリカや後発発展途上国を援助する計画である。こういった過程の中で、中国が米国と協力できるところは多いだろうと考える。 かつての中米戦略経済対話では、米国はいつも中国に対して経済構造の調整を求めていた。そこで私たちは現在、経済構造や産業構造、金融政策も含めて、調整を進めている。人民元は必ずや自由兌換の方向に進み、最終的には自由兌換通貨になるだろう。もちろん、中国の資本市場の対外開放は、自分たちのスケジュールで進めていく。 だがここで、米国にも経済構造の調整を求めたい。このたびの金融危機と米国が現在直面している経済衰退は、根本的に米国の不合理な経済構造がもたらしたものであるからである。米国の人々の貯蓄をしない、分不相応に消費する、借金をして消費するという習慣が長きにわたり、こういった状況を引き起こしたのである。このような経済構造は米国にとっても、世界経済にとってもよくない。米国も経済構造を調整する必要がある。 各方面から見ると、中米両国の経済はあらゆる面で互いに補い合っている。お互いから学べるものもたくさんある。中国は経済を発展させる中で、米国経済のよい面を吸収し、教訓を学ぶことができる。逆に米国も、中国の経済発展の中から成功例を学ぶことができるだろう。 「チャイナネット」2009年1月5日 |
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