東京財団の関山健・研究員がこのほど「新華社」の記者の取材を受け、金融危機による日本経済への影響は無視できないと話した。日本が受ける金融危機の直接的な影響は欧米に比べれば軽いものだが、間接的な影響は比較的深刻で、主に株式市場の低迷と輸出の疲弊にあらわれているという。
金融危機による日本への直接的な影響は、日本の地方銀行が保有するサブプライムローム関連の金融商品の自己資本に占める割合が相対的に高く、この種の金融商品の下落に伴い、地方銀行の経営が悪化すること。また、米リーマン・ブラザーズが投資していた一部の企業が同社の破産で破産したことがあげられるが、そうはいっても、金融危機による日本経済への直接的な影響はそれほど大きくない。
「しかし、日本が受ける間接的な影響はより深刻で、第一に株式市場の低迷、第二に輸出の疲弊があげられる」と関山氏は話す。金融危機で日本の株式市場の資金が外に流れ、株価が暴落。この株価の下落による影響はすでに仮想経済の範疇を超えている。
日本の銀行は一般的に大量の融資企業の株式を保有しており、それが自己資本の一部となっている。株価の下落は自己資本の減少を意味する。このため、多くの銀行が貸付金を回収し、新たな貸付を拒むようになる。その結果、多くの企業、特に中小企業が銀行で借り入れできず、資金繰りが難しくなる。このほか、欧米の経済が衰退したことで、日本から欧米への輸出が滞り、日本の実体経済が打撃を受けることになる。
ここ数年、日本の内需は非常に弱っており、経済は輸出を中心に成り立っている。輸出が回復しなければ、日本経済は好転しないだろう。一方、金融危機による日本経済への影響はマイナスのものばかりではなく、日本の大企業はその豊富な資金で安く海外の企業を買収することが可能になる。
「人民網日本語版」2008年11月16日 |