外交部の秦剛報道官は8日の定例会見で、現在の中米関係に対する中国の見方について質問を受け、次のように述べた。
過去30年間で中米関係は多大な進展を遂げた。30年前の両国は互いに断絶しており、対立状態にすらあった。だが30年後の両国は、幅広い利益を共有し、双方の利益の融合と互恵協力は空前の高水準に達している。両国の指導者と各レベルは緊密な付き合いを維持している。国交樹立時にわずか20億ドル余りだった両国間の貿易額は、07年には30年前の120倍以上の3000億ドルを突破した。人的往来も以前は少なかったが、現在では毎年延べ約200万人が両国間を往き来しており、平均して毎日5000人余りが太平洋両岸を往き来していることになる。在中米国大使館の統計によると、昨年1年だけで在中米国公館が中国公民に発給した渡米ビザは50万件に達した。
中米両国間の戦略的位置づけは明確であり、ステークホルダー(利益共有者)であるのみならず、それ以上に建設的な協力者である。双方は2国間であれ、国際・地域問題であれ、幅広い分野で緊密な協力を展開している。
中米が国交樹立後の30年間に得た多大な成果は、大切にすべきものであり、その中から貴重な経験を得ることができる。中米は世界に重要な影響力を持つ国であり、幅広く重要な利益を共有しており、対話・交流・協力を強化しなければならない。中米両国の国情、政治体制、文化価値には相違があり、いくつかの問題に対しては見解が異なり、また隔たりも存在するが、これらの隔たりは、両国間の共通利益および世界の平和・安定・発展において両国が担う責任と比べれば、副次的なものだ。
中米関係を順調に発展させるには、相互尊重・平等互恵の原則に従い、相互の重大な利益と関心に照らし、敏感な問題や隔たりを適切に処理する必要がある。戦略的高度と長期的角度に立ちさえすれば、こうした原則を遵守できさえすれば、中米関係の健全で安定した発展を維持することができる。これは両国および両国民の根本利益に合致するのみならず、世界の平和・安定・発展にとってもプラスだ。
「人民網日本語版」2008年1月9日 |