アジア重視を強める米国

人民網日本語版  |  2009-02-20

アジア重視を強める米国。

タグ:中米

発信時間:2009-02-20 14:17:43 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

米国のヒラリー・クリントン国務長官が15日から日本、インドネシア、韓国、中国を歴訪している。国務長官就任後初の外遊であり、実質的には米新政権全体の外交戦略の重要な一部でもあり、国際社会に新たなシグナルを送るものとなっている。

クリントン長官の今回のアジア歴訪はこれまでの慣例を破るものだ。歴代の米国務長官は、就任後初の訪問国として、伝統的な同盟国である欧州諸国あるいは中東諸国を優先させてきた。米国が外交政策においてアジア重視を強めたことは、国際社会や米国の対外関係におけるアジアの地位や影響力の高まりを示している。まさにクリントン長官が述べたように、最初の訪問地にアジアを選んだ理由は、すでにアジアが世界経済を牽引する重要なエンジンとなっており、「米国の現在と未来にとって極めて重要」だからなのだ。

今回の訪問の重点は、新政権のアジア政策を示すことにある。その目的の1つは、アジアの安全保障への米国のコミットメントを再確認し、日韓両国との伝統的な同盟関係を固めることだ。クリントン長官は「米国はこれまでと同様に同盟国である日本の立場を重視する。米日は両国の同盟関係の強化に一層努力すべきだ」と強調した。クリントン長官は韓国のことも「確固たる歴史的盟友」と呼び、アフガニスタン復興や海賊の取締りへの参加など、全世界の安全への一層の貢献を両国に促した。

インドネシア訪問にはいくつもの意味が込められていた。第1に、世界最大のムスリム人口を擁す同国に友好的姿勢を示し、イスラム世界との関係改善を図ること。第2に、インドネシアは「新興民主経済国」であると同時に、重要なエネルギー輸出国でもあり、それ以上に東南アジア諸国連合(ASEAN)の重要な加盟国でもあるからだ。

オバマ政権は発足後、損なわれた米国のイメージを修復し、世界の指導者としての地位を回復することを、外交戦略全体の目標として明確化した。対欧州関係の重要性を強調すると同時に、クリントン長官の初訪問には、米国のアジア重視の新思考を示す意図があった。このことから、米国の世界戦略の基本的枠組が浮かび上がってくる。まず、欧州・アジアの伝統的同盟国との関係を修復・強化し、安全保障における一層の役割を同盟国に求めることで、米国の指導的地位の支えとする。これには、一国主義の放棄を検討し、同盟国の関心や懸念といった重要な情報に耳を傾ける用意のあることも含まれる。このほかオバマ政権は新興市場国との良好な協力関係の構築にも尽力していく。クリントン長官が、たとえ敵対国とであっても、外交を優先し、無条件の話し合いによって紛争の解決を図るとの考えを強調したことは、なおさら言及に値しよう。クリントン長官は、米国は対外政策で「再び衝動的に事を進めることなく」、「再びイデオロギーで線引きすることなく」、「敬意ある態度で」意見に耳を傾けると表明している。

「人民網日本語版」2009年2月20日

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