米国のオバマ大統領とロシアのメドベージェフ大統領は1日、ロンドンで初の会談を開き、新たな戦略兵器削減交渉の開始で合意した。
会談後の共同声明で両大統領は、新たな協定に向けた協議を直ちに開始し、今年7月に結果を報告すると発表。1991年に調印した第一次戦略兵器削減条約(START1)の今年12月の失効前に、「新たな、広範な内容の、法的拘束力ある新協定」の成立を目指す。
会談後の記者会見でオバマ大統領は、戦略兵器削減交渉についての双方の決定は、米ロ関係の「大きな進展」を示すものと表明。会談は「非常に建設的な対話だった」と述べた。メドベージェフ大統領は、両国間には相違点より共通点が多く、共通利益の模索に共に取組み、より近づくことが可能との認識を示した。
両大統領はアフガン情勢、朝鮮・イラン核問題についても協議し、戦略的安定、地域安全保障、グローバルな課題への対応に共同で努力し、率直かつ誠意ある姿勢で相違点を解決していく意向を示した。
アナリストは、ブッシュ前大統領の時代にロ米関係は史上最も冷え込んだと指摘。北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大、ミサイル防衛(MD)システム、人権、民主主義などの問題で両国間にはなお深刻な隔たりがあり、一度の会談で両国関係の顕著な好転は期待できないが、今回の会談はロ米関係発展の新たな出発点になるとの見方を示している。
「人民網日本語版」2009年4月3日 |