ソマリア海域での海賊の活動が4月に入ってから活発化している。この1週間だけでも、6隻の船舶が海賊に乗っ取られた。11日には、イタリア国旗を掲げた米国のタグボートが乗っ取られている。
8日に乗っ取られた米船籍のデンマークの貨物船は11日にケニアのモンバサ港に帰ってきたが、米国人船長のフィリップスさんは人質として海賊に連れ去られた。米UPI通信によると、米政府とソマリアの海賊は現在、フィリップス船長の身柄解放について協議を始めている。ホワイトハウスのギブス報道官によると、オバマ大統領は事態の進展に注目しており、船長の身柄の安全をいかに確保するかに気を配っている。米政府は早くから、国土安全保障省・国防総省・国務省・商務省・運輸省など多くの部門の担当者からなる特別チームを作り、海賊にいかに対応し海上の航行安全をいかに確保するかについて長期研究を進めてきた。米軍の軍艦と海賊とのインド洋でのにらみ合いは12日、5日目を迎えた。米海軍の現在の主要任務は、海賊らの乗った救命ボートが海岸に近付くのを防止することだ。海賊が米国人船長をつれて上陸してしまえば、追跡は非常に困難となる。(UPI通信によると、フィリップス船長は12日、無事に解放された)
ソマリア海域では、多くの国の海軍から派遣された30隻余りがパトロールを行っている。それにもかかわらず、海賊の活動がこれほど活発であることにはいくつかの原因が考えられる。第一に、海賊が活動範囲を広げたため、各国の海軍がそれを防ぎきれなくなっていること。ソマリア海域の海賊の活動範囲は260万平方キロとも言われ、東と南の方向にさらに広がる傾向にある。第二に、海賊グループの間での協力が増強されていること。第三に、ソマリア海域の海賊が装備を高めていること。米国人船長を人質としている海賊4人は海事衛星電話を使ってボスと連絡を取っているとされる。装備のランクアップで怖いものがなくなった海賊は、人質解放のための身代金の要求額を吊り上げている。だが最大の原因は、海賊が生き延びることのできる土壌があることだ。米海軍によると、問題の根源は陸上にあるため、海軍の巡航パトロールだけでは問題を根本的に解決することはできない。アナリストによると、海賊問題の根本的な解決には依然として、ソマリア国内の政治状況の改善が必要となる。
「人民網日本語版」2009年4月13日 |