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中国の空母建造は正常かつ普通のこと
発信時間: 2009-04-23 | チャイナネット

中国人民解放軍海軍創設60周年記念イベントに伴い、中国の航空母艦建造に関する言論が最近また盛んになっている。(文:雑誌『世界軍事』編集主幹、『人民日報海外版』「望海楼」欄)

空母は長年来、一部の人々から神のように崇められてきた。米国の大統領は面倒な事態が生じるたびに「われわれの空母は今どこだ?」と問うという。中国人には、さらに古くからの記憶があり、これは新中国成立前の「アメジスト」号事件にまで遡ることができる。中国内陸の長江で、英国の砲艦と渡江作戦準備中の解放軍との間で武力衝突が発生した際、私たちが耳にしたものは、チャーチルがロンドンで上げた咆吼だった。「航空母艦2隻を極東に派遣して報復を実行する」??。ここにおいて空母は、多くの人の心の中で、「覇権」を意味する記号にもなった。空母には余りにも多くの意味が付与されてきた。このため、中国海軍が空母計画を推進中との情報が伝わると、たちまちにしてさまざまな声が溢れかえった。外国メディアからは疑問の声ばかり聞える。「中国はなぜ空母を建造するのか?」「空母を保有すると、中国もかつての列強同様、海洋覇権を争奪するのではないか」??。

実際には空母は、人々の考えるような神聖さとは程遠く、また生来邪悪に満ちているわけでも決してない。他の全ての武器と同様、空母は1つの道具に過ぎないのだ。

では、道具に過ぎないのなら、中国には本当に空母が必要なのだろうか。道具の必要の有無は、その人の抱える任務と道具の効率により決定される。人類社会に対して重大な責任を担う国連常任理事国の中に、ほかに空母のない国があるだろうか?中国のように長い海岸線、広大な領海、広範な海洋利益を擁す国で、空母のない国があるだろうか?当然、空母によって国家の海洋権益を効果的に保護できるか否か、平和の役割を真に発揮できるか否かは、運用の技巧とも関係してくる。千年続けて真に衰えなかった大国は、空母の有無に関わらず1つもない。また、空母を保有したおかげで、海上権益に関して爾後枕を高くして寝られるようになった国も1つもない。いわんや、ハイテク・高投資の産物である空母建造の決定は、同じくリスクに満ちている。正に中国の古い言葉にいう如く「水は舟を載せ、また舟を覆す」のである。こうした道理をはっきりさせれば、中国が空母計画の推進を決定するまでの難しさと長さを理解するのは難しくないだろう。同様に、中国の空母は一夜にして人々の面前に出現するとの考えが、無邪気に過ぎることも明らかだ。

空母が覇権を意味するか否かは、保有国の主観的な願望次第だ。空母の登場以前からとっくに覇権は全世界を荒らし回っていた。空母を保有せぬナチスドイツも、人類に際限なき災禍をもたらした。第2次世界大戦中の空母は、それ以上にファシスト軍を打ち負かす鋭利な武器であったのだ。空母と多少似ているものに、核兵器がある。中国が核兵器を開発し始めた当初は、同様に疑問を呈し、懸念を表明する人がいた。だが中国政府は核兵器を保有すると同時に、「核兵器を決して先制使用せず、非核国に対して核兵器を使用すると威嚇することも決してない」と厳粛に保証した。40年余りの歴史は、中国の約束を証明している。逆に、当時懸念を表していた者、疑問を呈していた者が、戦争や危機を迎えるたびに、核の棍棒をあからさまにちらつかせているのだ。現在中国の空母開発に最も「憂慮」を表明しているのは、まさしく最も多くの、最も大きな空母を保有し、最も頻繁に使用している国であり、かつて中国の核開発に対しても「懸念」でいっぱいだった国なのだ。当時の約束は、中国の核兵器が核大戦を抑制するパワーとなることを保証した。今日、平和発展という中国の約束は、同様に中国の空母が常に平和の守護者であることを保証するものなのだ。これを踏まえると、「懸念」を表明する者は、本当に杞憂を抱いている者なのだろうか?

ニュースを報じる視点からは、中国の空母とその計画推進過程に注目するのは、全くもって正常なことだ。どうであれ、これまで空母のなかった中国が、空母を開発するのは、ニュースバリューが高いに違いない。だが、すでに登場して100年になり、多くの国が建造し、配備し、使用している空母のようなものに対して、過度に騒ぎ立てる必要も全くないのである。その実、空母は普通のもので、中国が空母計画を推進するのも正常かつ普通のことなのだ。

「人民網日本語版」2009年4月23日

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