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温総理の講演を妨害したケンブリッジ大学の学生マーティン・ヤンケ被告(右) |
温家宝総理が2月2日にケンブリッジ大学での講演中に靴を投げられた事件で、同大の学生マーティン・ヤンケ被告が1日、ケンブリッジ地方裁判所に再び出廷した。裁判長は、起訴の背景には政治的要因があるとの弁護士の主張を退けた。「中国新聞網」が伝えた。
今回は2月10日と3月10日に続く3回目の公判で、検察・弁護側双方が証拠を提示し、弁論を行った。検察側は事件発生時の映像を証拠として流し、当時現場にいた中国人学生2人、警備担当の警察官2人、地方検察官1人に証人として出廷を求めた。
証人は、ヤンケ被告が大声を上げて壇上に靴を投げ、温総理の講演を妨害するのを見たと証言。当時ヤンケ被告の近くに座っていた学生も、周囲の人たちがヤンケ被告の行動に「おびえる」のを見たと述べた。
弁護側は、英国の大物政治家にクリームや卵を投げた環境保護活動家がいずれも逮捕・起訴されなかった例を挙げ、検察側は政治的干渉を受けていると主張。本件の起訴に当たって中英の政治関係の要素を考慮したか否かを検察側に質問した。
裁判長はこれに対し、本件が政治的干渉を受けているとの証拠は何もないと指摘した。
ヤンケ被告は発言せず、事件の映像が流された際は、極めて厳粛な表情をしていた。公判は午前10時に始まり、短い休憩を昼に挟んで、午後3時まで行われた。判決は2日に言い渡される。
ヤンケ被告(27)は、ケンブリッジ大学ダーウィン学院で病理学を専攻する大学院生。温総理は英国訪問中の2月2日午後、ケンブリッジ大学で「発展の視点で中国を見る」とのテーマで講演を行っていた。講演終了間際、ヤンケ被告は突然大声を上げ、自分の靴を壇上に投げつけた。
「人民網日本語版」2009年6月2日