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インタビューを受けるフゲネイ大使 |
ブラジルのフゲネイ駐中国大使は、新華社主催のシンポジウム「ブラジルの発展の将来性とBRICsの展望」への出席後のインタビューに、「BRICsは小集団化への道を歩まないようにしなければならない。われわれはあれこれ指図したいとは思わない。小国も同様に世界を動かすことができると信じている」と述べた。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
■ブラジルは南半球の「熱帯中国」
中国とブラジルのハイレベル相互訪問について、フゲネイ大使は「ルーラ大統領と胡錦濤主席は昨年以降今年末までに計9回の交流を行う」と指摘した。ルーラ大統領は今年5月に中国を訪問したばかりだ。フゲネイ大使は「これまでの交流と異なり、今回の訪中は両国関係が新たな段階に入り、前方へ大きな一歩を踏み出したことを意味する」と指摘した。
また、両国関係発展の過程を振り返り「早くも18、19世紀にブラジルは中国から多くの影響を受けていた。当時ブラジルのある学者はブラジルを『熱帯中国』と呼んだ。中国とブラジルは35年前に外交関係を樹立した。ブラジルは中国と戦略対話を実施した最初の発展途上国だ」と述べた。
■石油だけでないエネルギー協力
フゲネイ大使は「ブラジルには巨大な石油備蓄がある。ブラジル国家石油会社は中国石油とエネルギー開発で協力する。中国はブラジルのエネルギー開発に単に参与するだけでなく、重要なメンバーとなる。近く開催されるBRICsサミットでは、エネルギー協力も重要な議題となる」と指摘した。
講演後、フゲネイ大使は「エネルギー協力は両国の協力の重要な分野となる。石油貿易以外にも、両国はエネルギー開発分野でさらに深い協力を持つことになるだろう。両国は二酸化炭素の排出や環境保護の分野で話し合いを増やし、風力エネルギーや太陽エネルギーといった新エネルギー分野で一層の努力をすることになる」と述べた。
■BRICsは先進国との対話を維持すべき
フゲネイ大使は「現在は金融危機という特殊な時期にある。6月末にロシアで開催されるBRICsサミットでは、4カ国がさらに強大な集団となって危機に対処することが謳われる」と指摘。(1)BRICsは人為的組織ではない。4カ国は共に広大な領土と多くの人口を擁す発展途上国であり、共通の特徴を有す(2)BRICsは閉鎖的組織ではない。より多くの発展途上国を取り込む必要がある??の2点を強調した。
また「BRICsは多極化され、より安定した世界の構築を求めている。このため他の組織と対話を維持すること、特に先進国との対話を強化することが非常に重要だ」と繰り返し強調した。
「人民網日本語版」2009年6月10日