文=環球時報 程剛
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米国に代わり中国が世界第一に、とアピールしたことで、中国国防大学・劉明福教授の新書「中国の夢」はあたかも1個の爆弾のように、放出されるや、たちまち西側メディアを燃え立たせた。ロイター通信は先ごろ、「中国の夢」は「米国の『第一の国家』の地位を阿諛するものだ」と論評。英紙デイリー・テレグラフは、国防大学は、世界最強の軍事力を整備し、迅速に前へと進み、米国の「世界第一」の座を覆すべきだと考えている、と報じた。西側メディアにとって、「中国の夢」の観点を論じるに当たり、「中国は絶えず膨脹する雄大かつ壮大な志を体現しようとしている」、というのが幅広い解釈である。
ロイターなど西側メディアが広く引用している劉教授の観点は、次のようなものだ。中国は世界的な目標において今後も低調であってはならず、「世界第一」を突き進むべきであり、中国の台頭は必然的に米国の警戒心を呼び、中国は「平和の台頭」という雰囲気に溢れてはいても、戦争のリスクを減らすのは難しい、と考えている。書の中で「21世紀の中国は、世界第一になれなければ、最強の国になれなければ、必然的に脱落した国、淘汰された国となる」と記している。中米両国間の競争は「誰が最大の国になるかの競争であり、誰が勝利し、誰が衰退し、誰が世界の衝突を主導するかであり……中国は自らを救い、世界を救わなければならず、舵手となる準備をする必要がある」。そして、「中国の軍事力の目標が、米国にも、ロシアに追いつくことができなければ、軍事力の強化は世界三流のレベルに押し止められてしまうだけだ」とも書いている。
ロイター通信は、このところ中国国内では貿易やチベット、人権、台湾への武器売却など、一連の問題で米国に対し強硬姿勢を講じるよう求める声が高まっている、と報じている。劉教授の新書の「直接的かつ大胆な内容と表現はこうした背景と照らすとやはり一層鮮明となる」とも指摘。さらに「中国の夢」は中国政府の政策を代表しているのではなく、中国政府の国家目標もこの書物が主張するような脅威を与えるまでにはまだ至っていない。人びとは指導部が経済の高度成長を盾に国際社会でより大きな発言権を得るよう強く期待している。「中国の夢」はまさに、中国指導部がこうしたプレッシャーを背負っていることを物語るものだ。
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