波立つ南中国海は中国政府の雄心の試金石

波立つ南中国海は中国政府の雄心の試金石。 海辺まで少し歩いてみれば、水面に浮かぶ漂流物の中に日本のウィスキーの瓶を見つけ、その傍らには中国製のインスタントラーメンのカップや韓国のビールの缶が漂っていることに気づくだろう――これらの事実は南中国海が東南アジアの水上運輸にとって最重要の玄関口であることを示している…

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発信時間: 2010-10-18 09:43:13 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

香港の『南華早報』は10月10日、「波立つ南中国海は北京の雄心の試金石」と題する記事を掲載した。記事の内容は以下のようなものである。

海南島の三亜でサーフィンをしていても、フィリピンのパラワン沖でダイビングをしていても、或いはベトナムの芽庄から舟を浮かべて海に出ても、遊覧客は知らず知らずのうちに南中国海の静かで穏やかな水面に惹きつけられる。陽の光の射す空の際を雲が漂いゆくさまを見、オーデンの詩を引用する――この場所で何か深刻な事態が発生するなどとは想像もつかないだろう。

しかし、ここには不吉の予兆が隠れているのである。発生してから既に久しい南中国海の領海紛争が、昨今明らかに高まりを見せつつあるのだ。中・米が(領海主権につき)デリケートなエリアにおいて覇権争いを始める――そのような緊張関係が日ごとに我々のこの時代を左右するようになるだろう。

一頃前に、オーストラリアの政府系シンクタンクが、東南アジアは「中・米の戦略争いと無縁であることはできない。両国の戦略競争は今後相当の可能性でエスカレートしていくことになるだろう」との警鐘を鳴らす研究調査報告を発表した。またこの報告はさらに、北京(中国政府を指す)の南中国海での高圧的な態度によって生じる、ハノイ(ベトナム政府を指す)と北京との間の摩擦は、「目下のところ東南アジアにおける危機の最も深刻な要因となりうる」と指摘した。

(政府関係者等の有識者ではなく一般の)観光客であっても、ここ南中国海における戦略の重要性を知ることは難くない。海辺まで少し歩いてみれば、水面に浮かぶ漂流物の中に日本のウィスキーの瓶を見つけ、その傍らには中国製のインスタントラーメンのカップや韓国のビールの缶が漂っていることに気づくだろう――これらの事実は南中国海が東南アジアの水上運輸にとって最重要の玄関口であることを示している。太平洋とインドを結ぶ最短の航路が通っていることから、中・日・韓の石油輸入のほぼ全ては南中国海を経由する必要がある。そして、(石油等の)中国における需要の増加と国内供給量の減少に伴い、中国は今後ますますこのような水上運輸に依存せざるを得ない状況にある。

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