中国は11日、ステルス戦闘機「殲20」(J20)の試験飛行を成功させた。これは中国が先端軍事技術の開発で大きな進展を遂げたことを意味し、多くの海外メディアが注目した。
これを受け、中国人民大学国際関係学院の金灿栄副院長は鳳凰網の取材で、J20の試験飛行成功はアジア太平洋地域の軍備競争を触発することはないと話した。その理由は、同地域の国々には軍備競争をする経済力はなく、軍備競争で中国には勝てないからだという。米国もこれらの国が軍備競争することを許さないだろうし、覇権的地位を守るためにも、米国は同盟国が軍事力をつけてその覇権体制から抜け出すのを望まないだろうと指摘した。
▽「守成」戦略は変わらない
――西側メディアの評論では、J20の初飛行成功は中国の平和的発展戦略の転換を意味するとしているが、この問題についてどう見るか?
中国の平和的発展戦略がまず変わることはありません。中国は現在、国内外に多くの問題を抱えていますが、国内の経済問題と社会問題の解決を優先しなければなりません。今後も友好的、平和的な対外政策に変わりはありません。
J20のような先進兵器の出現は、中国が自国の利益を守る能力を高めたという意味にすぎず、実力的変化は必ずしも意図的変化を意味しません。中国の意図はこれからも平和的発展をしていくということに変わりはありません。
――J20は攻撃性のある兵器ですが、その初飛行の成功は中国の軍事や外交における「韜晦精神」が放棄されたことを意味しているか?
「韜晦」は基本的に外に対して謙虚で慎重になり、それから内部の問題解決に全力を注ぐという意味を含みます。中国の内部問題はあまりにも多い。農民問題、都市化問題、分配問題、様々な社会問題が山積しており、私たちの世代は国内の経済的近代化、社会的近代化に力を入れ、外交戦略については前の世代の意向をうけつぎ、その築きあげたものをいっそう堅固なものにしていくことになる。このため中国の外交政策には今後も引き続き「韜晦精神」が貫かれることになる。