中国の空母「ワリャーグ」の大連での改修に関する情報が海外のマスコミで取り上げられている。なかには、同空母が今年7月1日に進水するという報道まである。日本や韓国のマスコミはこぞって中国初の空母に関して伝えているのに対し、米軍事当局やマスコミはやけに落ち着いている。米太平洋軍総司令部は「中国の空母は単に象徴的な脅威しかない」と公開で発表した。
◆象徴的な脅威
これまでに中国が開発した世界初の対艦ミサイルや対衛星実験などに比べ、今回の空母に対する米軍やマスコミの対応はやたら「冷静」だ。
米ブルームバーグは13日、米太平洋軍総司令部のウィラード総司令官が、「このプロジェクトに興味はない。同空母は改修前、観光客寄せでしかなかった。年内に空母を進水するという彼らの構想が実現することを願っている。しかしこの空母が作戦能力を持つまでにはまだ時間がかかる」と語ったと伝えた。また、中国の空母「ワリャーグ」は戦力測定や評価のプラットフォームになり、将来、中国が空母を導入する上でいい経験を積み重ねることができるだろうと指摘した。中国の空母は米国に脅威をもたらすかについて、「象徴的意味しかない」と否定的な態度を示した。
ペンタゴン傘下の情報サイトBUZZは、殲(J)-20の突然の登場が米軍部を震撼させたのとは違い、空母の登場はペンタゴンに何の波も立てなかったと伝えた。最強の原子力空母を含めた海軍の水上戦艦の生存力はどれくらいか?冷戦時代、米海軍のハイマン・リッコーヴァー大佐はロバート・タフト議員の「米ソ両国の間で第三次世界大戦が勃発した場合、米海軍が頼りにしている空母はどれだけ持ち堪えられるか?」という質問に、「もって2日」と答えたという。ミサイル時代に入り、ミッドウェー海戦のような海空戦が起こることはないだろうといわれている。(当時の太平洋戦争で、日米双方は空母に搭載した戦闘機で空中戦或いは相手の空母に直接攻撃をしかけた。)
中国の空母発展にかける野心は、米海軍の遠洋での優位性に挑戦を挑んでいるように思われがちだが、問題は中国にそのような目的があるなら、潜水艦部隊を中心とした非対称作戦を取るべきで、空母対決を挑むべきではないということだ。米国や他の空母保有国は一隻の空母を維持するためにどれだけの時間とお金がかかるか知っているはずだ。中国は米海軍に挑戦を挑むために、長い時間と巨額をかけ空母を建造する必要があるだろうか。
◆米海軍の専門家、空母の脅威にレベル付け