英フィナンシャル・タイムズ紙の電子版は22日、パキスタンは西南部のグワダル港に海軍基地の建設と中国海軍の駐留を中国に要請したと報じた。この計画はインドや米国などに波紋を広げそうだ。
パキスタンのムフタル国防相は、「われわれはグワダル港に海軍基地を建設するよう中国に要請した」と同紙に語った。ギラニ首相が先週、中国を訪問した際、この要請が伝えられたという。
パキスタンと中国の海軍協力交渉に係わったパキスタンの高官は「海軍基地が完成後、中国海軍に定期的に訪問してもらい、同基地を彼らの艦隊のインド洋地域における修理やメンテナンスに使ってほしい」と語る。
同基地は今後、中国海軍が管轄区域外で任務にあたる際の支援を提供する初の海外拠点となる一方、中国の長期軍事計画に対する国際社会の懸念が広がる可能性がある。
国際戦略研究所(IISS)南アジア安全保障問題の専門家、チョードリー氏は「このことが、中国の国防と安全保障に関係する“戦略的転換点”になるのは間違いない」とし、「グワダル港に建設される海軍基地には半永久的に中国の艦隊、潜水艦が駐留し、今後、益々増えるであろうこの地域を往来する中国のタンカーを保護するため、アラビア海で定期パトロールや演習を実施する可能性がある」と指摘する。
パキスタンの国防相は、インド海軍に対抗するため、インド洋と北アラビア海における中国の存在を打ち立ててもらいたいと期待を示す。
25日の会見で、中国国防部新聞事務局の耿雁生局長は、「パキスタンは国際テロ組織との闘争で重要な貢献をし、多大な犠牲を払った。テロ対策において、われわれは合同訓練、情報支援、後方支援などでパキスタンと今後も協力を強化していく」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月26日