作戦想定図
資料写真:米軍SADARM弾の襲撃テスト
米軍事サイト、ストラテジーページは23日、中国が対戦車兵器「SADARM弾」を開発したと伝えた。直径147ミリ、長さ204ミリのこの小型装置は重量が10キロ。155ミリの砲弾に2発、455キロのクラスター爆弾(CBU-105)に40発組み込むことができる。
SADARMの一つひとつにレーダーと熱センサーがついており、戦車を探知、特殊爆弾で戦車を破壊することができる。落下の際に、センサーが150メートル×360メートル範囲内の車両を探知し、攻撃する。
SADARMは「センサー起爆爆弾」とも呼ばれ、60年代から構想が練られていたが、80年代にそうした技術がようやく開発された。SADARMが使用している金属弾丸は米製M1戦車など天井が薄い戦車を貫通することができる。また目標が見つからなければ自爆する。
1991年の冷戦終結によってSADARMの開発は余り進められなくなった。しかし90年代末に一部のSADARMが生産された。安価で容易に大量の戦車を破壊できる兵器ではあるが、それを必要とする国はそう多くない。
しかし中国はロシアとインドという潜在的な敵をもつ。中国は露印両国と国境問題を抱えている上、どちらも巨大な戦車部隊を有している。これまで中国は砲弾版のSADARMを展示していたが、今回は米国の技術を利用した独自のSADARMを開発した。
その設計理念と技術はすでに公になっているが、信頼性の高い兵器を製造するにはまず数々の細かい工学問題を解決しなければならない。そのため米国版の実際の工学データは中国にとってかなり有益なものだといえる。