カデットブルーに塗装され一新した空母「ワリヤーグ」が今月10日、タグボートに引かれて8年間停泊した大連港の埠頭から初めて出港し、初の試験航行を開始した。世界新聞報が伝えた。
地元住民と軍事ファン、それにメディアの熱い視線に対し、中国海軍初の空母の処女航海は控え目だった。旗艦後、造船所で改修と試験が続けられる以外に、ワリャーグが控え目だったのは戦略的意図があってのことだろう。
◇控え目な中国軍
中国海軍からすれば、まずワリャーグを改造することで建造方法をつかみ、今後の国産空母の開発・建造の経験を積み、次にワリャーグ就役後、「教学艦」として人材育成にあてることが重要になる。
中国軍事科学院の杜文竜研究員によると、中国は今のところ廃棄処分となった空母を改修し、訓練と科学実験に利用するだけだという。「空母改修後は一連の大型試験が必要で、係留運転と海上公試後、航空試験、つまり艦載機との共同試験を行うため作戦能力を形成するまでには比較的時間がかかる。
つまりワリャーグはすでに処女航海を行ったが、まだ整備段階にあるということだ。そのため中国海軍の空母戦略もまだ初期段階にある。
◇中国空母、経験蓄積に専念を
大型の近代的な総合プラットフォームである空母には一国の海軍の遠洋に兵力を投入する能力が結集している。米国、フランス、インドなど空母保有国をみると、空母数や甲板面積と海外に対する野心とが正比例している。そのため空母保有国は間違いなく自国の空母力強化に努めている。これらの国に比べれば、中国海軍は「空母倶楽部」の新メンバーに過ぎない。
杜氏によると、海外の軍をモデルにすれば、中国は少なくとも3隻の空母が必要だ。中国はすでに空母の分野で上々の技術的基礎を打ち立てたが、まだ多くの課題が残っている。空母を大規模化、体系化するためには控え目な発展を続け、経験蓄積に専念しなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月25日