筆者は黄海のある海域で真夏のある日、海上核・生物・化学(NBC)緊急対応救援訓練を目にした。
「中国籍の商船・長江号でNBC事故が発生。緊急出動を要請する」
午前8時、北海艦隊のある潜水艦基地から海上NBC緊急対応救援隊は命令を受けると直ちに対策チームを立ち上げ、各チームは新型救援装備とともに艦艇に乗り込み、もっとも早い時間に目標海域に到達した。
「監視測定開始!」
現場の指揮者の指示の下、防護服を着た4人のNBC対応隊員が装置を持ち迅速に各作業を開始した。彼らはまず移動式の放射線モニタリング計器で風向、風速、風力のほか、大気中に浮遊する微粒子と艦艇甲板の放射能汚染物質を採取・測定するとともに、放射線量率測定器で海水の検査・分析を行った。
「01、こちら02。水中の放射線量は0.05マイクロシーベルト・パーアワー。報告完了」
「モニタリングを続けろ!」
通信を終えると、突然、船上で黄色い煙が上がった。
有毒有害ガスが漏れ出したのだ。緊急事態発生!