待ちに待った中国空母の試験航行によって、東アジアのパワーバランスの再調整が進められている。ただ、強国の勃興が周辺国の衰退を意味するわけではない。中国という海洋強国の台頭によって必然的に日本の力が浮かび上がってくる。香港のアジア・タイムズ・オンラインが6日、伝えた。
ケンタッキー大学の国際関係に詳しいロバート・ファーリー教授は、今日の軍事態勢を前世紀20年代と比較した。当時、日本と米国は海を制する英国に挑んでいた。ファーリー教授は軍拡競争による経済負担に注目、1922年の「ワシントン海軍軍縮条約」を高く評価し、インド、中国、日本は新条約を締結し、各自の海軍力を制限するよう呼びかける。
しかし、北京は大規模に海軍力を増強しているにもかかわらず、まだ経済的に困難な状況は見られない。しかも、国内で海軍に対する軍事制約に反対する声が上がり、日本が1934年に「ワシントン海軍軍縮条約」から脱退した経緯からみても、北京が長期軍事目標に対する制約措置を遵守するとは思えない。
次の3つの理由から、日本は中国に対抗する力になるといえる。(1) 日本はアジア各国と重要な外交関係を維持しており、地域の仲裁者となることができる (2)日本と中国には領土問題が存在し、中国の水上艦隊を阻止する必要がある (3) 日本は軍事的に地域の安全に貢献する能力がある。
地理的にみても、日本の東中国海における影響力は大きく、東京は中国の海軍力を制約するカギになる。空母の試験航行により、中国の問題海域における力はいっそう強化された。日本は2011年防衛白書で、中国の軍事的影響力の拡大は安全保障の懸念材料といってもおかしくないとしている。
日米ロ3カ国による合同演習の提案、韓国との経済・政治連携、朝鮮との外交関係など、日本の地域における政治的作用が益々強まっている。次の10年は中国の10年であると同時に、日本の10年でもある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月13日