私の同僚であるバーナード・コール教授は、中国海軍が今世紀中頃に世界的なパワーに変貌し、人民解放軍海軍の父である劉華清上将の大願を果して、支配海域を拡大し、米海軍に匹敵する海軍になることはないだろうとの見方を示している。コール教授は米海軍を退役した海上戦の将校で、著書に「海上の長城」がある。日本の英字サイト「ザ・ディプロマット」が伝えた。
コール教授が考えるように、思考上の欠点により中国は海上における遠大な計画を成しえないだろう。まず、中国は陸戦に重心をおくアジアの軍事強国で、海上戦略を考える際、「海上の固定地域および限定地域を守る」角度から出発する。劉華清氏は海軍に「2000年には海上の支配範囲を第一列島線まで拡大」するよう要求したが、中国海軍は予定通りにこの目標を達成していない。
一部の航路は日本等の戦略的ライバルの支配下にあり、中国はこれらの航路を通過しなければ、西太平洋および他の重要な海域に到達できない。ライバルは独自の対艦兵器を保有している。アジアの海域は現在、戦略的に優位に立とうと各国が争う競技場と化しつつある。中国、米国、他の選手がいかに行動するかは誰にもわからない。
頭の切れる中国海軍の指揮官らは地上配備型ミサイルと戦闘機を使って、実力が上の米国などの敵に頭を抱えさせるだろう。中国はディーゼル潜水艦、高速哨戒艇、対艦ミサイルからなる「小艦隊」によって米軍の動きを抑え、海上艦艇の自由な行動をサポートするだろう。