先端技術を集約したF22は姿を見せて以来アクシデントが絶えない。ふらついた状態に加え、単機3億5000万ドルの価格に、同機を前線に送り出したいどの指揮官も熟考せざるを得ない。
2010年11月16日、米アラスカ州エレメンドルフ空軍基地のF22ラプターが夜間訓練中に突然墜落、パイロットが死亡した。米軍官はその後、酸素生成システムが何らかの原因でストップし、パイロットが窒息して操縦できなくなったと発表。1年以上経っても、同機の酸欠問題は解決されず、多くのパイロットの命が危険にさらされている。これがF22計画反対の声の根拠にもなっている。
F22の問題は操縦室の酸欠だけではない。先端技術を集約したF22は姿を見せて以来アクシデントが絶えない。1992年にエドワーズ空軍基地でF22原型機が墜落、パイロットの命は助かったが、開発が大幅に遅れることとなった。このほかに07年、ハワイから日本・沖縄に飛行予定だった12機のF22からなる編隊が国際日付変更線を越える際に機内のコンピュータが突然故障、帰還を余儀なくされた。
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