中国の空母1番艦が年内に就役する可能性があるとの情報を受け、米海軍の専門家は、「これは正常な進展であり、歓迎するべき。米中両海軍は中国が空母を保有したことで新しい協力可能な分野が広がる」と述べた。
中国海軍の徐洪猛副司令官は中国人民代表大会で、「中国の空母1番艦の試験航行は非常に順調」とし、「戦闘機の試験も計画中で、今年は空母就役の計画がある」と述べた。米海軍の専門家は、この知らせに驚きを見せなかった。米海軍分析センター(CNA)のシュワルツ氏は、中国海軍の空母開発は道理にかなっており、中国が一つの大国として空母が必要なことは、「正常な、明らかな進展」で、米国は歓迎し、可能な協力を進めるべきだと指摘する。
シュワルツ氏はまた、空母の建造はかなり困難だと強調、非常に複雑な歴史の結果であり、中国が空母の能力を追い求めることは間違っていないが、極めて困難な任務で、「尊敬される」能力を形成するには長い時間がかかる。米海軍の空母の能力は世界に比類がないが、それは米海軍200年の成果だ。
中国空母の米中海軍とアジア太平洋地域への影響について米元海軍少将は、中国の空母開発を歓迎すべきとし、両国が共に努力すれば、2015年か2020年までに中国の空母が本当の戦力になった時、両海軍は海上航路保護などの面で協力できる可能性を示唆。中国の空母は射殺の目標ではなく、米中軍事協力の新たな分野となるとしている。
CANのマイケル・マクデビット研究員によれば、中国の空母は両海軍の間で衝突があった場合、潜水艦で優位な米海軍の攻撃目標になりやすい。空母は中国海軍により強い影響力をもたらすが、ベトナムやフィリピンなど一部の中国周辺国は中国の反介入戦略に適応、わりと小さい範囲で反応し、自国の海軍力を向上している。
米国防大学国家戦略研究所の楊研究員は、南中国海での影響力を拡大したい中国は通常4、5隻の海洋調査船を派遣しているが、空母は本地域への政治的影響を及ぼすと指摘。米側は中国が空母をどうテコにするかに関心を寄せており、南中国海の領土問題解決に影響を与えると推測する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月19日