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中国国防部長の9年ぶりの訪米、中ロの大規模な軍事演習、一時見合わせている軍首脳の日本訪問。中国は現在、「大国」に照準を定め、軍事外交の「春の攻勢」をかけている。今月4日、梁光烈国防部部長が9年ぶり、国防部長としては初訪米し、注目を集めている。4月22日、中ロ海軍の合同軍事演習が始まり、演習地点を海岸から海上に拡大し、軍事的意義が深遠だとアナリストは指摘する。4日付の香港中国通信社が伝えた。
今年に入り、中国の軍事外交はいずれも大国に照準を定め、前年とは明らかな違いがみられる。中国国防部は2011年は周辺の安定を最重要任務とすると表明、軍事委員会本部の高官がベトナム、ミャンマー、ネパール、シンガポール、インドネシア、フィリピン、朝鮮、パキスタン、インドなど周辺14カ国の国防部門を訪問した。
2012年は中国軍にとって一番大きな変化は、米国が中東から撤退し、アジア太平洋に重心を移すことだ。今年初め、オバマ米大統領は米国のアジア太平洋地域における軍事配備拡大を表明。それにともない米国は、日本、韓国、オーストラリア、インド、東南アジア各国との軍事協力を強化している。
これについて国防部外事弁公室の銭利華主任は、今年のアジア太平洋地域の情勢は複雑になっていると指摘。国防部の2011年の中米軍事外交に関する評価も「始めは良かったが、徐々に下火になった」としている。
米国のアジア太平洋に重心を移行する軍事戦略を背景に、2012年の中国の軍事外交は米国およびアジア太平洋の関係大国との意思疎通や協力が避けられない。ロシアとの大規模な軍事演習は第三国を念頭に置いていないとしていたが、米比軍事演習と同じ日に終了し、あたかも「反けん制」を示した。
ただ、中国軍の外交政策は外交の大局に従う必要がある、政治外交が必要なのは軍が春の外交「攻勢」を頻繁にかけているためとの声もある。
実際、梁国防部長の訪米前に習近平国家副主席が訪米、ペンタゴンを訪問し、今年の中米外交、軍事外交の土台を築いた。
日本に関しては、中日関係は時に改善、時に悪化、時に冷たく、時に盛り上がっているが、今年は中日国交正常化40周年にあたり、両国首脳はいずれもいい雰囲気づくりに努めようとする。軍も例外なくそれに尽力するだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月8日