石原慎太郎東京都知事が釣魚島(日本名・尖閣諸島)の買い取りを推進する中、右翼団体がまた釣魚島で「魚釣り大会」を開催した。その一方で、日本社会からは理性的な声が聞かれない。11日付香港紙「大公報」が伝えた。
日本は今年1月、釣魚島周辺の島嶼に対する暫定的な命名を完了した。総合海洋政策本部は3月2日、39の無人島の名称を発表し、釣魚島に付属する島嶼が含まれた。河村たかし名古屋市長は、南京市代表団の表敬訪問に応じた際に、南京大虐殺を否定した。右寄りのタカ派とされる石原都知事は、民間所有者から釣魚島を購入すると虚言を弄している。地域安全について、日本は中国の「軍事的脅威」および朝鮮の核問題を理由に、米国と共同で軍事演習を行い、南西諸島地域の防御を固めている。
この一連の動きは偶然ではなく、既定政策の現れであり、日本国内の全体的な政治的雰囲気をも反映している。理性的な考えが抑圧されており、そもそも理性的な声がない、またはそれらの声が抹殺されている。
日本の「右翼」は明治維新と共に誕生し、以降社会の中に浸透している。近年、日本経済は低迷を続け、国力が低下している。特に東日本大震災および福島原発事故の発生後、右翼的な思想が再び急台頭している。現在の右翼は、歴史レベルでの「民族性」を強調するこれまでの手段を改め、焦点を領土主権問題に転じており、国内のナショナリズムを刺激し対立を煽っている。
丹羽宇一郎駐中国大使は、釣魚島の買い取りについて理性的な声をあげ、中日関係の改善に向けた数十年間の努力が水泡に帰すると指摘した。この発言が官民双方からの反発を招き、丹波大使は自らの発言が関係者に迷惑をかけたとして、謝罪を余儀なくされた。これは異なる面から、日本の政治の過酷な現実を反映している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年6月13日