中国は広大な領海を保有しているが、その中の多くは紛争に巻き込まれ、多くの島々が他国に侵略されるか、領有権を主張されている。これは中国海軍の発展の遅れと関係している。
強力な海軍が必要
中国海軍は現代化が遅れ、遠海作戦能力を持たないことから、「近岸海軍」、「近海海軍」の段階にとどまっており、海岸線および近海の防衛しか実現できていない。300万平方キロに達する領海の安全を保障するためには、強力な海軍が必要となる。
長年に渡り、中国は米国や日本等からの戦略的な包囲を受けてきた。米国は近年、「アジア太平洋回帰」を宣言しており、中国周辺で包囲網(特に海洋の)を構築している。日本も中国の「価値観同盟」を包囲し、米国の対中国政策の急先鋒となっている。中国の海洋安全は現在、各方面から脅かされている。これらの挑発に応じ、周辺の安全環境を安定化し、米国と日本の戦略的な包囲を打破するためには、海洋に関する取り組みを強化する必要がある。中国海軍の建設は予断を許さない状況となっている。
大国としての責任を果たす
中国は国連安全保障理事会の理事国、世界第2位の経済大国である。中国は大国として、「大国の利益」を拡張する権利を持ち、同時に「大国の責任」を果たす義務がある。
「大国の責任」とは、中国の海外における利益、および発展途上国の利益を保護する上で、「大国としてやるべきこと」を増やすことを指す。特に海賊の取り締まり、地域の平和と安定の保護、自然災害の救援等に対して、中国は大国の役割を果たさなければならない。
「大国の責任」を担い、「大国としてやるべきこと」を果たすためにも、遠距離輸送能力を持つ先進的な海軍が必要となる。