資料写真:F22戦闘機
米ABCニュース7月30日の報道によると、米空軍はこれまでに最新鋭ステルス戦闘機F-22プロジェクトに790億米ドルを投入しており、現時点で所有しているF-22戦闘機は187機に上る。しかし、本来なら世界最先端のステルス戦闘機であるはずの「ラプター(猛禽類の意)」は今、米軍の悩みの種であると言う。
米空軍から直接入手した情報によると、F-22戦闘機の遠距離での戦闘能力は申し分の無いもので、BVR(有視界外)戦闘においても卓越した戦闘力を持つ。しかし、従来の戦闘機同士の格闘戦であるドッグファイトに関しては、他国の第3世代戦闘機にも及ばないという。米国の空戦軍事演習「レッドフラッグ」にF-22戦闘機が導入され、初めてその全貌が明らかになると、多くの人々がその姿に魅了された。「仮想敵機」との戦闘シュミレーションにおいて、F-22はオーストラリア、日本、ポーランド、NATO軍の援護を行った。そして、2012年6月の「レッドフラッグ」軍事演習に参加した際、飛行条件の制約によって、F-22戦闘機の成果は実に冴えないものとなった。これらの問題は全て、F-22戦闘機コックピットの酸素コントロールの不備のせいである。
資料写真:軍事演習でF22を撃墜したドイツ空軍のタイフーン戦闘機
米空軍のデータによると、F-22戦闘機が近日実施した80件の任務の成功率は非常に高いものの、一部の特殊な状況における戦闘力は満足のいくものとは言えないという。F-22戦闘機がドイツ空軍のタイフーン戦闘機との軍事演習でドックファイトを行った際、F-22戦闘機は、その高額な値段に見合うだけのメリットが感じられなかっただけでなく、安いタイフーン戦闘機に負けたのである。ドイツ軍士官は「タイフーン戦闘機とF-22戦闘機の接近戦において、優勢劣勢ははっきりとしていた。BVR(有視界外)戦闘においてはF-22戦闘機は世界一かもしれないが、ドッグファイトとなると、タイフーン戦闘機のほうが勝っている」と話す。