大連に停泊する空母「ワリャーグ」(8月3日)
8月9日付香港英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、中国海軍のある高級研究員は、中国初の空母は「十一(国慶節)」前に正式に運用されるとの見通しを示した。
同空母にはまだ中国語名がない。旧ソ連時代に未完成だった空母「ワリャーグ」の船体を改造したもので、中国は2002年に「ワリャーグ」を買い付けた。
中国海軍軍事学術研究所の李傑研究員(海軍大佐)は、7月30日に9回目の試験航行を終えた「ワリャーグ」は、中国人民共和国成立63周年を迎えるに日に正式に海軍に配備される可能性があると話した。
李傑氏によると、「ワリャーグ」は年内に就役する見通しで、10月1日に運用される可能性がある。必要な艦上設備の取り付けはほぼ完了しているという。
中国は、同空母は訓練に使用すると表明。
李傑氏は、「同空母は、フィリピンやベトナムも主権を主張する南中国海の一部地域の領有権争いなど、中国の海洋主権の保護において重要な役割を果たすことができる。南中国海で、中国は引き続き軍事的手段をとらずに隣国との領土争いを解決していく方針だが、『ワリャーグ』が訓練用に設計されたものであっても、やはりある程度の戦闘能力を備えている」と述べた。
また、同空母がどこかの海軍基地だけに停泊するということはないという。機動性と航続力が比較的高いことから、複数の地域を目標とすることができる。中国は海洋大国で、7000あまりの島と1.4万キロの島の海岸線を監視しなければならない。
さらに李傑氏は、「空母はまず近海で活動し、最終的に公海に派遣され、中国の海外利益を守ることになる可能性が高い。近い将来、中国は海外利益を守るために『ワリャーグ』を含め3隻の空母が必要になる」と語った。
軍事関係者は以前、同紙に対し、中国が年内に初の空母を運用し、補給艦などの空母戦闘群を2015年に就役させる方針だと明かしている。