中国の台頭の苦境を浮き彫りにしたロンドン五輪

中国の台頭の苦境を浮き彫りにしたロンドン五輪。

タグ: 五輪,中国,両超大国

発信時間: 2012-08-15 09:28:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

■台頭の苦境は必然的な法則

「台頭の苦境」とは、大国が台頭する際、国際体制に対する影響力が大きくなるほど、国際体制から直面する圧力も大きくなるという法則を指す。中国の台頭過程は、米国主導の国際体制に対する影響力を強め続ける過程である。したがって、この体制の改変を望まない国々は中国に対する不満を募らせ、国際的圧力を強めている。台頭の苦境という法則は、わが国の実力や地位が高まるほど、わが国の直面する国際的圧力も大きくなることと解釈できる。ロンドン五輪でわが国の選手は台頭の実力を示したが、競技場で喝采を浴びることは他の大国の選手よりも少なかった。

実力や地位の高まりに伴い、わが国に対する国際的な圧力は和らぐとの考え方は、対外政策の策定にマイナスだ。五輪同様、大国の台頭も決勝戦に入った段階で直面する圧力が、それ以前を上回るのだ。圧力に耐えられ、代償を辞さず強硬に闘う者こそが、目標実現の機会をより多く得られる。第一次世界大戦、第二次世界大戦、冷戦を経てようやく世界唯一の超大国となった米国が台頭過程で直面した国際環境は、わが国が現在直面しているものよりも遥かにたちが悪かった。だが、目下のどちらかといえば良い国際環境には、たちの悪い環境に対するわが国の対処能力を弱める作用もある。もし「戦略的チャンス期」の下でのみ発展でき、それ以外の環境下で台頭する力がないのなら、わが民族を復興させる台頭の大業は運頼みということになる。歴史上、「戦略的チャンス期」頼みで最終的に台頭を果たした国は少ない。多くは戦略的チャンス期を欠く中、世界的な強国を築いたのだ。

台頭の決勝戦段階においてわが国の直面する国際環境が冷戦時より良くなるのか、それともたちが悪くなるのかは予測が難しいが、たちが悪くなる可能性は排除できない。競泳女子400メートル個人メドレーで中国の葉詩文が優勝すると、米国の競泳コーチがドーピング疑惑を指摘し、たちまちメディアとネットで大論争となった。ABCと独紙ハンデルスブラットは見出しに「冷戦」という言葉を使用した。誤審の横行はロンドン五輪の新たな特徴であり、オリンピック競技ですら公正を保つのが難しい。中国の台頭の決勝戦段階が戦略的チャンス期にあたるとどうして期待できようか。五輪の金メダル獲得数で第2位の地位を享受する中、われわれには二極化する国際構造における台頭の苦境について心の準備をすることがなおさらに求められている。

「人民網日本語版」2012年8月15日

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