次に、野田首相にとって鼻高々の、消費税増税案だ。同法案の可決には、自民党の積極的な協力が不可欠であった。タダより高いものはないというが、自民党の支持を得る上で、代価が支払われた。野田内閣と自民党は、「早期の衆院解散・総選挙」を条件として合意に至ったが、これは表面的な言い方に過ぎない。野田首相は現在も首相の座をしっかりと占めており、早期の解散と総選挙に応じる気配はみじんもない。自民党と野田内閣の合意は、一部の自民党議員が利益を得たことで実現された。『週刊ポスト』は、「野田内閣は自民党の勉強会や、一部の元老の活動を支援した」と暴露した。平民出身の野田首相がこれほどの経費を拠出できるはずがなく、それがどこから来たかは想像に難くない。
それから、政敵への攻撃だ。離党前の小沢一郎・前民主党前代表は、野田首相にとって党内最大の政敵であった。小沢氏の政治献金問題が、一審の判決で無罪とされた当時、原告側は控訴しない方針を固めていた。しかし控訴期限まであと数日となった5月9日、原告側はこれまでの態度を一変させ控訴を決定すると、勝訴の可能性が低い裁判を継続した。『週刊ポスト』はこの不可解な動きについて、「野田内閣の重要人物は、主流派の議員と酒を飲んだ際に秘密を漏らし、検察審査会はこちらの言うことを聞くと語った」と伝えた。司法が独立している日本でこれを実現するためには、「カネ」に物を言わせる必要がある。
権力にせよカネにせよ、品格のない政治家に握られれば、汚職がより深刻化するばかりだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年10月9日