中国は27日に珍しく、ミサイル迎撃実験の成功を大々的に発表し、各国メディアの憶測を呼んだ。中国政府は、同実験は防御的なものであり、いかなる国をも対象としないと表明した。しかし多くのメディアは28日、「中国のミサイル迎撃実験は誰を脅かすか」という問題について、検討を続けた。環球時報が伝えた。
読売新聞はこれについて、米国が釣魚島(日本名:尖閣諸島)問題で日本支持を表明したことに対する、中国の強硬な反応だと伝えた。英BBCは、同実験は「中日が対立し、中米がアジア太平洋地域で冷戦に準じる状態に陥り、朝鮮が核実験を再実施すると恫喝している、最も敏感な時期に実施された」と強調した。また、「中国の周辺で衛星・ミサイルが相次いで打ち上げられる中、それらとの関連性を明確にすることは難しいが、相互に影響し合っていることは間違いない」とする分析もある。
中国のミサイル迎撃実験から10数時間後、米国は過去2年間で初のミサイル迎撃実験を実施した。インドは日曜日に、核弾頭搭載可能な中距離弾道ミサイルの発射に成功した。韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)」が28日に再び発射台に運ばれ、打ち上げ態勢に入った。アジア太平洋地域の軍事競争がエスカレートしている、と懸念する声があがっている。
日本滞在中の中国人学者の庚欣氏は、「中国は直面しうる大規模・小規模の紛争に対応する能力を持つべきである。ミサイル迎撃システムは犬を殴る棒のようなものだ。悪い犬が挑発に来ることを警戒し、棒を握っておくわけだ」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年1月29日